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なでしこジャパン、3連敗のアメリカ遠征で“覚醒した45分”。東京五輪へのヒントは拾えたか?

カテゴリ:日本代表

早草紀子

2020年03月13日

アメリカ戦ではボランチコンビが奮闘、最終ラインに本職CB4人を並べて対応

1-2で迎えた後半、岩渕のパスに抜け出した三浦(写真)がポスト直撃のシュート。杉田とともにボランチとして奮闘した。写真:早草紀子

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 アメリカ戦では攻撃面は一気に活性化されたが、これで前の2試合がチャラになるわけではない。シーズン前であるコンディションの問題はさておき、今大会ではチーム力の脆弱さが目についた。最終戦を前に、「意識を変えるだけでどこまで改善できるか分からないが、伝えていきたいと思う」とキャプテンの熊谷紗希は語っていた。結論からすれば、アメリカ戦ではある程度の改善は見られた。であれば、その段階に達してから初戦に臨むべきだろう。

 オリンピック本番まで強化試合が予定通り行なわれるのか――世界情勢が不透明な現状がある。「今できることを試す」のは初戦であり、その後はブラッシュアップさせる絶好の機会のはずである。最終戦でようやくスタート地点に立った今大会は、“積み上げ”と呼ぶには薄すぎる。

 ただし、収穫もある。杉田と三浦成美(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のボランチがようやく世界基準に必要な要素を拾い始めたこと、アメリカ戦の最終ラインにセンターバックを本職とするDF4枚を並べて、ビルドアップの得意な土光真代(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、三宅史織(INAC神戸レオネッサ)が守備意識を持ちつつサイドバックとして攻撃参加が可能だという新たな計算が立った。

 誰が出てもカラーが変わらないチームに――高倉監督の就任当初からのポリシーだが、メンバーが変わっても、変わらなくても、攻守にスイッチが入りにくいのが今のなでしこジャパン。そして今更ながら払拭できないひとつの疑念がある。高倉監督のもうひとつのポリシーである“枠にとらわれない自由なサッカー”を実は同じ矢印で捉えられていない選手も多くいるのではないか、ということだ。

 どんな強豪でも、自由に見えてチームをコントロールするためのロジックは必ずある。だが、日本の選手たちは「自由な発想を持たなければならない、枠にとらわれてはならない」と、自由という名の檻のなかでもがいているように見えてしまう時がある。それならばいっそのこと型(約束事)を決めて、そこからいくらでもはみ出せばいいと背中を押してやる方が意外と“自由”が効くのかもしれない。

 今大会では共通認識が欠けていたと多くの選手が口にした。その共通認識を高める“型”であれば足かせにはならないはず。初戦のようにピッチで手詰まりになった時に立ち返る場所になるのであれば、そうした用意も必要ではないだろうか。

取材・文●早草紀子
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