「日本一を目指すのかって? もちろんだよ。だってサッカーの本質って、勝ち負けですよ」
「死ぬまでやる」と決めたこの情熱をぶつける場所をどこにするか――。そんな本田氏に声を掛けたのは、大澤英雄氏だった。国士舘大サッカー部の創設者であり、現在は同大学の理事長を務める人物である。
「大澤先生にはずっとお世話になっており、そういう意味での恩返しをしたいと思っていた。別の大学サッカー部の監督の話もあったけれど、やっぱり高校サッカーが自分の仕事場だから。ここの高校で選手たちを育てて大学へ送り出す。それが、大澤先生への恩返しになればいいかなと思っているよ」
新天地の国士舘では「スーパーバイザー」という立場として、上野晃慈監督とともにチームの指導にあたる。72歳での新たな挑戦は、人生最後の挑戦になるという。
「最後の挑戦になるだろうね。ここが最後だよ……。いままでやってきたものを、できるだけ否定してやってみようと思っている。いままでやってきたことがまったくダメではなかったと思うけれど、それを見直して、新たなものに挑戦したいと思っている」
スーパーバイザーという肩書きとはいうものの、本田氏はみずから現場に立つ日々を送る。まさに老体に鞭を打ち、生徒たちに直接指導にあたる。日本一のノウハウを叩き込んでいる。
「生徒たちといま話をしているのは、大きな目標として、『目標にたどり着くまでのノウハウをみんなで学んでいこう』と言っている。国士舘のサッカー部は170人部員がいる。プロの選手という職業に就けるという生徒は少ない。でも生きていかないといけない。だから、サッカーという領域から学んで、他の領域でも活躍できるようになるためにも、『成功体験』は大事なんだ。今日も練習するけれど、ひとつくらいは『できた!』っていう経験をして帰らせてあげたい。上野監督を中心とした若いスタッフたちにも、日々『成功体験』をしてもらいたい。その積み重ねが目標達成のベースだと思っている」
国士舘を絶対に日本一にさせる――。そう言い放つと、本田氏の勝負師としての本能が騒ぎ始めたのだろうか。高校サッカー指導歴45年を誇る名伯楽は、その眼光をさらに鋭くさせながら、かつて指導した流経大柏を超えるチームを作り上げる自信を覗かせた。
「日本一を目指すのかって? もちろんだよ。だってサッカーの本質って、勝ち負けですよ。だったら勝ちたいよね。最初から負けようと思ったらやらない。指導者って、チームを勝たせるために来るんだから。試合に勝たせられなかったら、その指導者がダメってことだから。いきなり全国優勝しろっていうのは無理があるけれど、前にやっていたチームより最低でも上に行かないことには、“前進”とは言えない。どんな年代にも、必ずトップレベルのチームがある。でも、格上のチームが必ずしも勝つとは限らないのが、サッカーの試合の醍醐味なんだよ。なんで戦う前から負けると決めつけるのか。同じ高校生なんだから、絶対勝てないということはないんだ」
「大澤先生にはずっとお世話になっており、そういう意味での恩返しをしたいと思っていた。別の大学サッカー部の監督の話もあったけれど、やっぱり高校サッカーが自分の仕事場だから。ここの高校で選手たちを育てて大学へ送り出す。それが、大澤先生への恩返しになればいいかなと思っているよ」
新天地の国士舘では「スーパーバイザー」という立場として、上野晃慈監督とともにチームの指導にあたる。72歳での新たな挑戦は、人生最後の挑戦になるという。
「最後の挑戦になるだろうね。ここが最後だよ……。いままでやってきたものを、できるだけ否定してやってみようと思っている。いままでやってきたことがまったくダメではなかったと思うけれど、それを見直して、新たなものに挑戦したいと思っている」
スーパーバイザーという肩書きとはいうものの、本田氏はみずから現場に立つ日々を送る。まさに老体に鞭を打ち、生徒たちに直接指導にあたる。日本一のノウハウを叩き込んでいる。
「生徒たちといま話をしているのは、大きな目標として、『目標にたどり着くまでのノウハウをみんなで学んでいこう』と言っている。国士舘のサッカー部は170人部員がいる。プロの選手という職業に就けるという生徒は少ない。でも生きていかないといけない。だから、サッカーという領域から学んで、他の領域でも活躍できるようになるためにも、『成功体験』は大事なんだ。今日も練習するけれど、ひとつくらいは『できた!』っていう経験をして帰らせてあげたい。上野監督を中心とした若いスタッフたちにも、日々『成功体験』をしてもらいたい。その積み重ねが目標達成のベースだと思っている」
国士舘を絶対に日本一にさせる――。そう言い放つと、本田氏の勝負師としての本能が騒ぎ始めたのだろうか。高校サッカー指導歴45年を誇る名伯楽は、その眼光をさらに鋭くさせながら、かつて指導した流経大柏を超えるチームを作り上げる自信を覗かせた。
「日本一を目指すのかって? もちろんだよ。だってサッカーの本質って、勝ち負けですよ。だったら勝ちたいよね。最初から負けようと思ったらやらない。指導者って、チームを勝たせるために来るんだから。試合に勝たせられなかったら、その指導者がダメってことだから。いきなり全国優勝しろっていうのは無理があるけれど、前にやっていたチームより最低でも上に行かないことには、“前進”とは言えない。どんな年代にも、必ずトップレベルのチームがある。でも、格上のチームが必ずしも勝つとは限らないのが、サッカーの試合の醍醐味なんだよ。なんで戦う前から負けると決めつけるのか。同じ高校生なんだから、絶対勝てないということはないんだ」