「死ぬまでやる」元流経大柏高監督・本田裕一郎氏が語った“人生最後の挑戦”。72歳の勝負師は新天地で何を志すのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

小須田泰二

2020年03月04日

「やっぱり現場が好きなんだよ。引退なんてまったく思わなかった」

インタビューに応じた元流経大柏高サッカー部監督の本田氏。72歳の今も現場での指導に意欲満々だ。写真:小須田泰二

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 流経大柏の本田裕一郎監督が国士舘へ行く――。年明け早々、そんなニュースを耳にして、早速、東京・世田谷にある国士舘高校サッカー部のクラブハウスへ足を運んだ。

「おいおい、今日は老人を冷やかしにきたのかい?」

 そう言って笑顔で迎えてくれた本田氏。勝負師としての鋭い眼光と溢れ出る情熱――。その表情からは72歳という年齢をまったく感じさせない。

「今日もこれから練習があって現場に立つんだ」

 5年前の2016年には重度のガンを患った。しかし、そんな大病も乗り越えてきた。「ずっと上ばかりを目指してきた。ガンになったことはすでに終わったこと。“前進意欲”が、自分の信条だからね」と笑い飛ばす。

 サッカーどころ・静岡で生まれ育った本田氏は、“静岡に追いつけ追い越せ”をモットーに、これまで市原緑、習志野、そして流通経大柏と、千葉県内の3つの高校を指導し、全国屈指の強豪へと育て上げた。習志野・流経大柏で6つのタイトルを手にした。名実ともに高校サッカー界を代表する名将へと上り詰めた。

「あそこ(流経大柏)での19年間を振り返れば、非常に良かったと思っている。選手と一緒に寮に住んで、まさに“24時間体制”でサッカー漬けの生活を送ってね。タイトルもたくさん取らせてもらった。世界のサッカーは日夜変化している。高校サッカーもその変化に対応しなければ生き残れない。そのなかで自分を上げていけない人間は消えていく。絶対に諦めないで、後ろを振り返らず、ずっと前ばかりを見てやってきたつもりだよ」

 昨年3月の時点で、本田氏は流経大柏を去ることを決めていた。しかし、これまで一度も“引退”を考えたことはなかったという。

「個人的なことを言えば、長すぎたかなとも思っている。そろそろこの機会に少し刺激を受けたくてね。次のステップへと向かおうと決めたんだけど、頭の中に『引退』の言葉は浮かばなかった。次なにをしようか。そればかりずっと考えていた」

 次のステップを考えたとき、いろんな思考を巡らせ、そして自問自答した。高校サッカーの現場一筋で戦ってきた男が辿り着いた答えは、やはり「高校サッカーの現場」だった。人生のすべてをぶつけてきた“現場”で死ぬまで立とう、と改めて心に決めたという。

「自分でクラブを作ろうかな? とか、サッカーグラウンドを作ろうかな? とか、いろんなことを考えていたけれど、やっぱり現場が好きなんだよね。餅は餅屋じゃないけれど、自分の得意な分野と言ったら、これしかないんだよ。もう身体に染み付いているしね。引退なんてまったく思わなかったよ。気持ちはなにも変わらない。ただ変わったというのは、もっと上を目指したいという意欲だね」
 

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