勝敗はデータで決まる!? 強豪、流経大柏が実践する数字とデータの活用法

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平野貴也

2019年07月29日

課題と目標が明確に。数字が持つ説得力

トレーニング効率化やパフォーマンス向上を目的に近年、 サッカーの現場でもデータの分析が盛んに行なわれている。 今年の選手権でも、流経大柏のGPS機器導入が話題になった。 その活用法、効果について尋ねるべく、 インターハイ予選の合間に流経大柏グラウンドを訪ね、 本田監督、コーチ、選手たちに話を聞いた。

 日本代表や国内外のプロリーグで選手がユニホームの下に黒いスポーツブラのようなものを身につけている姿を見たことのある読者は多いだろう。位置情報を管理するGPS機能を用いて、 選手の走行距離や移動速度などのデータが計測できる機器だ。

 国内でもJリーグだけでなく、大学や高校でも見かけるようになった。千葉県の強豪、流経大柏(総体予選は県大会決勝で敗退)も昨年からSPTという「GPS スポーツ パフォーマンス トラッキング システム」を使い始めている。

「ドイツでは、練習でもグラウンドにアンテナが建っていて、指導陣はパソコンでリアルタイムのデータを見ながら選手に声をかけていました。このSPTを使うようになり、出てきた数値と自分の感覚にそれほど大きな違いはないと分かりましたが、試合の翌日にデータを見せて説明すると、指導者も選手も、冷静に考えられます。

昔なら『もっと走れ』とか『タッチ数を減らせ』と言うだけだったけど、感覚だけだと選手が『やっている』と思ってしまえば、取り組む気持ちにならない。でも数字で情報を共有できると、指摘しなくても選手が課題を知って取り組むようになる。無駄な指摘や素走りなどの練習を減らせます」。

 海外視察を重ねて興味を持ち、昨年の夏にチームで機器を購入した本田裕一郎監督は感じているメリットをそう話した。数字の説得力が、個々の感覚による印象の違いで生まれる摩擦を減らすことにつながるようだ。

 機器によってピッチ内の移動エリア、時間帯別走行距離などさまざまなデータを採取できるが、選手が興味を示しているのは、おもに走行距離とスプリント回数だという。

 FW森山一斗(2年)は「気にしているのは、スプリントの回数です。裏への飛び出し、守備への切り替えの指標で60回が目安。日本代表の前田大然選手は、自分とスプリント回数が20回くらい違っていて、目標になりますし、自分の課題に対して納得できます」とプロとの比較に刺激を受けていた。

 1年近く数字を見てきたことで、捉え方に変化が生まれている選手もいる。ボランチの藤井海和(2年)は「ポジション取りの速さの目安になる力走(少しスピードを上げた移動)の回数は、 気にしています。ゴールを決めた日は数値が良いなど、ハッキリとデータが出ます。また、最初は走行距離ばかり気にしていたけど、ボール奪取が多い試合はスプリントが多いことに気付いたので、それも見るようになりました」 と、複数のデータを試合のパフォーマ ンスの分析に役立てていることを明かした。

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