• トップ
  • ニュース一覧
  • 「ひとりで敵の総パス数を上回る」前政権で“代えが利かない存在”ではなくなったブスケッツに復活の兆し【現地発】

「ひとりで敵の総パス数を上回る」前政権で“代えが利かない存在”ではなくなったブスケッツに復活の兆し【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年01月30日

ロッカールームでは選手間で激しい口論が

バルサの指揮官に就任したキケ・セティエン。ポゼッションサッカーが信条だ。(C)Getty Images

画像を見る

 この中盤のスタメンの激しい入れ替わりは、バルベルデのポゼッション軽視の表われでもあった。トランジション型のフットボールに傾倒する姿勢を鮮明にし、その一方で指揮官の采配に納得がいかないベテランMFとの関係に亀裂が入り始めた。

 敵地で2-1と何とか勝利したものの、内容が悪かったチャンピオンズ・リーグのグループステージ3節・スラビア・プラハ戦後に、守護神のテア・シュテーゲンが「チーム内で話し合わなければならない。改善すべき点がある」とチーム批判を展開したが、それもそうした縦に速く舵を切った新戦術に対する不満が根底にあった。
 
 その頃、ロッカールームでは選手間で激しい口論が起き、バルベルデの采配を批判する声が漏れ始めた。とりわけ槍玉に挙がったのが、メッシとルイス・スアレスに対して守備免除を認める決断だった。彼らの言い分を証明するように、中盤と最終ラインへの負担が高まる一方となり、ラ・リーガの前半戦を終えて23失点を記録。ちなみに昨シーズン通しての総失点数は36、一昨シーズンは29である。

 フロントはこのロッカールーム内で起こっていた異変を不安げに見守るとともにバルベルデ政権の今シーズン限りでの終焉を悟った。水面下で後任探しが始まり、中盤の選手たちの間からは、チームのベテラン組が今なお連絡を取り続けているシャビの復帰を待望する声が高まった。

 しかしスーペルコパのアトレティコ戦での敗戦がそうしたチームを取り巻く状況を加速的に変化させ、フロントは数日後にバルベルデを解任。シャビへの監督就任の打診は「時期尚早」という理由で断られていたため、クライフィスタを公言するキケ・セティエンが後任の座に収まった。

 この急転直下の監督交代劇を歓迎したのが、ほかでもないブスケッツであった。キエ・セティエンにとってもブスケッツはかねてから一目置いていた選手であり、事実、彼のサイン入りのユニホームを忘れ形見のように大切に保管している。

 その新指揮官の初陣となったグラナダ戦で、ブスケッツは相手チームの総パス数131を上回る142のパス本数を記録。82%という2011年以来最高のポゼッション率の達成に貢献した。監督交代によってブスケッツが復活を遂げるのか。それはバルサがマイボールを大事にするアイデンティティーを取り戻せるかどうかにダイレクトに関わる重大なテーマである

文●ファン・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
【関連記事】
「メッシ抜き」の守備戦術を巡るスタッフとの衝突――こうしてバルベルデはバルサの指揮官を解任された【現地発】
ロドリゴ獲得を目指すバルサの「礼を失したオファー」にバレンシアのファンが怒り心頭!
バルサのキケ・セティエン新監督がBチーム所属の逸材アタッカーに突然の戦力外通告!
「エグいです…」ファン・ダイクの身体に触れた日本人トレーナーが感じた“怪物CB”の凄みとは?【現地発】
「僕から何かを盗むなんて…」ロナウジーニョが若き日のメッシとの日々を回想!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ