【消えた逸材】放送禁止用語を口にするなど愚行を繰り返し…。うつ病を患って輝きを失ったチェコの天才はいま?

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2020年01月31日

滞在先のホテル2階の窓から転落して騒動に

15-16シーズン、ドイツ3部のケムニッツァーに在籍していた頃のフェニン。18年からは無所属が続く。 (C)Getty Images

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 きっかけは09年夏のミヒャエル・スキッベ監督就任だ。

 4-3-3から4-3-1-2に基本システムが変わり、フェニンはFWのバックアッパー降格を余儀なくされる。さらに筋肉トラブルや鼠径部の負傷も重なり、スキッベが解任される11年3月まで出番が激減。その後、アルミン・フェー新監督から「常時出場は約束できない」と通告され、同年8月に2部コットブスに新天地を求めた。

 ドイツ・サッカー界に激震が走ったのは、その約3か月後だった。フェニンが滞在先のホテル2階の窓から転落したのだ。これが一大騒動に発展したのは単なる事故ではなかったから。地元当局の発表によれば、転落前に大量のアルコールと睡眠薬を摂取していた事実が判明。そして数日後、本人からうつ病を患っている旨の声明が出されたのである。

 幸い、精神科への通院やコットブスのサポートもあり、フェニンはすぐにピッチに戻ってきた。だが、かつての輝きは完全に消えていた。

 13年1月に母国へ帰還すると、スラビア・プラハでも、古巣のテプリツェでも結果を残せず、14年夏以降はフランスおよびドイツの3部、チェコ2部のクラブを転々とした。18年1月からは無所属で、正式な引退発表はないままだ。
 最後に再浮上できなかった理由を挙げれば、うつ病の発症だけではないだろう。ドイツ時代は交通違反やボヤ騒ぎなど愚行を繰り返し、チェコ帰国後は裁判沙汰を起こし、現在はアルコール依存症だ。

 18年4月には酒に酔ってスポーツ番組に出演し、放送禁止用語を口にしたほどだ。父親が建築家、母親が小児科医という何不自由のない家庭で育ち、若くして「チェコ・サッカー界のゴールデンボーイ」と持て囃されたフェニンには、プロの世界で何が何でも成功を収めようという向上心がそもそも欠如していたのかもしれない。

文●遠藤孝輔

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年1月16日号より転載

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