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「『ミナミノの時代』をクロップは予感している」南野拓実のプレミアデビューを、英国人記者はどう見たのか?【現地発】

カテゴリ:海外日本人

スティーブ・マッケンジー

2020年01月25日

「既にクロップにとってかかせないひとり」

リバプールは苦しみながらもウルブスに勝利。無敗記録をまたひとつ伸ばした。(C) Getty Images

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 私がそう考えるのは、変化が確実に起きているからだ。前節のトッテナム戦で、ベンチに座っていた南野に声が掛かることはなかった。だが、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ユルゲン・クロップ監督の反応が私の目を引いた。

 難敵から重要な勝利をあげたその場面で、クロップはいつものように一目散にピッチへ向かうだろうと誰もが考えた。だがその前に、彼はベンチから出てきた南野を見つけ、思い切りハグをした。それは18番が宙に浮くくらいの勢いだった。 本人は試合に出られなかったことに失望していたかもしれないが、ドイツ人指揮官にとって祝福をするべきひとりだったのだ。
 

 変な話、私の目にはそのシーンが焼き付いていたため、今回のデビューにさほど驚きを感じなかった。クロップは、南野の時代が来ることを予感している。そして加入して1か月も経っていなくとも、チームにとって欠かせないピースのひとつだと確信している。

 前節のハグは、その指揮官との良好な関係をうかがわせる。心配は必要ない。南野はクロップを信頼し、試合に出られなくても忍耐強さを持ち合わせている。そして、クロップやチームが南野を受け入れていることには、必ず理由がある。

 リバプールは今後、4月4日にマンチェスター・シティと対戦するまで、ビッグ6との試合がない。南野が実力を示す機会は自然と増えてくるだろう。そう願っている。

  ウルブス戦で、南野はある点で目立っていた。両チームの選手のなかで、手袋をしていたのは彼だけだったのだ。もちろんGKを除いてだが……。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
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