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おもてなし部、広報部に農業部! 高川学園サッカー部を一枚岩に進化させた“部署制”の全容に迫る!【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2020年01月01日

年明けには”クラウドファンディング”にも挑戦

ピッチ内外で選手たちの成長を見つめる江本監督。同校では副校長を兼務している。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 所属する部署は1年ごとの希望制である。当然、人気・不人気があるだろうし、人数や学年のバランスもまちまちとなるケースが出てくるだろう。ただ、そこはあえて手を加えない。個々の自発性をなによりも重視しているからだ。

 1回戦の試合後、守備の要であるCB田中誠太郎に「一番人気はどの部署か?」と訊いた。彼は「それは、おもてなし部でしょうね」と即答する。理由を問うと、「やっぱりあの部署が一番、人間性が高められるからだと思います」。グウの音も出ない、意識の高さである。ちなみに2年生で最終ラインの軸である田中の現所属は、強化部だという。

 江本監督はしみじみと、部署制の狙いと意図を説明してくれた。

「我々のように部員が100人を超える大所帯のチームは、全国的に見ても少なくないでしょう。私は高校時代(高川学園の前身である多々良学園卒)、試合に出してもらってましたけど、やはり大多数は出れません。その子たちが応援してました、最後は負けて涙を流しました、それで終わりでいいのかと。僕はこれからの時代には適していないと思うんです。サッカーはもちろんするけども、次のカテゴリーや社会に出ていくなかで、勉強できる時間は十分にある。一人ひとりが徐々にひととして学んでいく。その手助けをするのが、我々の仕事だと思っています」

 
 先述の通り、選手たちが地元の農家の人びとと触れ合うのも貴重な経験だ。副校長を兼務する35歳の指揮官は、「お年寄りの方が農業をやっていれば、力仕事が必要になってくる場合がある。そこにどう関わっていけるか。地域に根差した学校作りが、どこの都道府県にも求められていくと思うんです」と力を込め、「教員だけが大人ではない。いろんな大人がいて、いろんな仕事がある、いろんな考えがあるんだということを知り、学んでほしい」と話し、柔和な表情を浮かべた。

 年明けには、「クラウドファンディング部」(仮称)も立ち上がる予定だ。さまざまな方にチームを認知し、理解してもらい、寄付を募る。例えばその返礼品として、チームのグッズや栽培した野菜を提供するのだという。ひとつの高校サッカー部の枠を超えた、実に斬新なアイデアではないか。
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