「PK戦では一度も負けたことがない」矢板中央に“怪物”1年生GKが出現!地元の青森山田から誘いがなく…【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年12月31日

7人目のシュートを見事にキャッチ

PK戦勝利を呼び込んだ藤井(中央)。先輩からもみくちゃにされた。写真:田中研治

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 1年生の“怪物”GKが現われた。矢板中央の藤井陽登だ。

 大晦日に行なわれた第98回全国高校サッカー選手権の1回戦、大分との熱戦は2-2でPK戦に突入。2点のリードを守り切れなかった矢板中央にとっては、嫌な展開だった。

 だが、16歳の守護神はこの大舞台でも落ち着いていた。

「やってやる」

 これまで小学生時代から、PK戦では「一度も負けたことがない」。栃木県予選決勝の佐野日大戦でも2本をストップし、10.97メートルの攻防を制していた。

 両軍とも5人目までは全員成功。大分の人目がポストに当て、「正直、これで勝ったかなと思った」ようだが、続く矢野息吹(3年)が大きく枠を外してしまう。

 だが、集中力は切れていなかった。7人目の竹谷悠(2年)のシュートを見事にキャッチ。最後は、藤井が「頼みます」と声を掛けた服部晃多(3年)が成功させ、初戦突破を決めた。

 実は、相手のGK塩治晴士も1年生で名前も同じ「ハルト」。試合後に「がんばれよ」と声を掛けられ、「同じ名前だし、任せておけ」と応えたという。

 PK戦以外でも、大分のキーマンである菊地孔明の難しいシュートを足で止めるビッグセーブを見せるなど、勝利の立役者となった藤井だが、中学時代は無名の存在だった。

 青森県十和田市の出身。中学時代ではクラブチームではなく、中学のサッカー部に所属し、県ベスト8が最高成績だったという。

 地元の強豪・青森山田から声が掛かることはなく、県内の他の有力校から誘いはあったが、「環境がよかったし、全国大会に出たかった」と矢板中央への進学を決めた。

 髙橋健二監督曰く、「初めは正面のボールを後逸してしまうほどだった」そうだが、同郷の木村大地GKコーチの熱心な指導で急成長。10人近くいるGKの中で徐々に序列を上げた。

 そして、正GKの溝口陽日が故障したため、「シュートストップとキックがいい」と9月1日のプリンスリーグ関東(三菱養和戦)で先発に抜擢。堂々たるプレーを披露し、そのまま定位置の座を掴んだ。公式戦の出場試合数は、まだ10試合足らずで、全国のピッチに立ったことになる。

「県予選でも凄いと思ったけど、ここまでやるなんてたいしたもの」

 熱血指揮官もそう目を細めた。

 堂々たる佇まいは、まさに“怪物”。令和最初の選手権でニューヒーローが現われた。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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