鹿島――苦手気味の3バックを相手にプレスが機能するか?
第99回天皇杯全日本サッカー選手権決勝
ヴィッセル神戸 - 鹿島アントラーズ
2020年1月1日(水)/14:35/国立競技場
【決勝までの戦績】
2回戦/3-1 北陸大
3回戦/4-0 栃木SC
4回戦/4-1 横浜F・マリノス
準々決勝/1-0 HondaFC
準決勝/3-2 V・ファーレン長崎
ヴィッセル神戸 - 鹿島アントラーズ
2020年1月1日(水)/14:35/国立競技場
【決勝までの戦績】
2回戦/3-1 北陸大
3回戦/4-0 栃木SC
4回戦/4-1 横浜F・マリノス
準々決勝/1-0 HondaFC
準決勝/3-2 V・ファーレン長崎
【担当記者の視点】
鹿島アントラーズが、無冠のままシーズンを終えるわけにはいけない。リーグ3位、ACLベスト8、ルヴァン杯ベスト4という数字は、鹿島にとってすべて「V逸」を意味する。残されたタイトルは天皇杯のみ。2017年大会以来となる優勝に向け、今季限りでの退任が決まっている大岩剛監督は「決勝戦ですので、どんな形でも勝利を手にすること。アントラーズの哲学でもある『目の前の試合に全力を尽くす』という気持ちで臨みたい」と力を込める。
ヴィッセル神戸とは11月30日のJ1リーグ33節で対戦し、1対3で敗れたばかり。この試合では俗に言う「鹿島らしさ」は微塵も感じられず、ボール支配率38%とディフェンスラインからのつなぎに苦戦。一部の主力を温存した相手に主導権を握られた。3対2で辛勝した12月21日の天皇杯準決勝・長崎戦を含め、ここ数か月は3バックの相手に連動したプレスができず、ボールの取りどころがはっきりしないままの戦いが続いてきた。神戸は3バックの布陣が予想される。大岩監督が口癖のように繰り返す「継続と改善」で共有事項を整理し、チームとして立て直しを期す。
1月のU-23アジア選手権に臨む日本代表に選出された上田綺世、相馬勇紀は前所属チームで大会に出場しているため登録外となる。120分での戦いも視野に入れなければならない状況で、その類い希な個性で流れを変えられる2人の欠場は痛い。先発の11人だけでなく、ベンチメンバー7人枠の選考・起用法も勝敗のカギを握るだろう。
11月以降の試合で気を吐き、安定したプレーを続けている選手はブエノや三竿健斗ら数えるほど。負傷や過密日程によるコンディション不良などが影響し、精彩を欠いているメンバーが多い。それでも今季の公式戦55試合目、最後の1試合は、のどから手が出るほどに渇望する「タイトル」が懸かった大一番。今季味わった悔しさを力に変え、新国立のピッチで国内クラブ最多21冠目を掴み取る。
文●岡島智哉(報知新聞社)