U-17W杯組を加えて新生U-18日本代表が始動! 競争を煽った紅白戦で存在感を見せたのは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2019年12月20日

U-17組は上のステージで戦えることを証明

闘争心を押し出してプレーした山本。今後のポジション争いに加わっていく選手だろう。写真:松尾祐希

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 今回の内容を振り返ってみると、それぞれのチームが可能性を示した。U-17代表組のチーム3は培った連係面でアドバンテージがあったのは間違いないが、各々が持ち味を発揮。「ブラジルで悔しい想いをしていたので、今日はやってやろうと思っていた。その通りになって良かったし、ワールドカップが終わって変わった所を見せられた」と話した唐山は2ゴールで決定力の高さを示した。鈴木海音(磐田U-18)も正確なビルドアップで上のステージで戦えることを証明。彼らの活躍は影山監督の目にも焼き付いたはずだ。

 また、チーム2は即席チームでありながらも、チーム1に対して攻守で圧倒。特に存在感を示したのはボランチの土肥航大(広島ユース)や川崎颯大(京都U-18)で、球際での守備や状況判断の良さでポジション奪取をアピールした。

 一方でレギュラー組中心のチーム1は2連敗で、唯一無得点に終わった。特に1本目は良さを出せず、攻守で噛み合わないプレーが散見。今後に不安を抱かせたが、危機感を募らせた2本目に意地を見せたのは好材料だ。

 ゴールこそ奪えなかったものの、選手個人が戦う姿勢を前面に押し出して奮闘。とりわけ山本は仲間を鼓舞しながらスライディングでボールを果敢に奪うなど、背中でチームを引っ張った。「サバイバルの色が強い今回のキャンプで0得点。チームとしても個人としても一歩出遅れたので、真摯に結果を受け止めないといけない」と本人は自嘲気味に試合を振り返ったが、影山監督も鬼気迫るプレーを評価した。

「山本は上手いタイプだけど、スライディングなど泥臭いプレーも見せてくれた。(山本のように)いろんな世代を混ぜ合わせた時に引っ張っていける選手が増えてほしい」

 来秋のアジア予選まで約11か月。メンバー入りをかけた熾烈な争いはまだ始まったばかり。この合宿で活躍したことで今後の立ち位置が保証された訳ではないし、2連勝を飾ったU-17代表組が全て生き残れるとも限らない。今回の合宿で感じた手応えや危機感を今後にどう繋げるかが、代表生き残りの分水嶺になるのは間違いない。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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