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PK事件から2年3か月後もかかったハッピーエンド――ネイマールとカバーニの“雪解け”【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

結城麻里

2019年12月14日

カバーニを巡って新たな問題も噴出!

ナポリからパリSGにやってきて7年。カバーニは、常にサポーターから愛されてきたが、クラブとは小さくない問題を抱えているようだ。 (C) Getty Images

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 ボールを受け取ったカバーニは、緊張した表情でボールをペナルティースポットに置いた。彼の周りには「ワールドカップのファイナルで決定的なPKでも蹴るかのような」(L’EQUIPE本紙)雰囲気が立ち昇っていた。そのプレッシャーは、観る者にもひしひしと伝わり、スタジアム全体が息を呑んだ。

 しかし、百戦錬磨の名手は、プレッシャーをはねのけ、相手GKの同胞フェルナンド・ムスレラの逆を突くシュートを決めた。カバーニにとっては、今年8月18日のレンヌ戦(リーグ・アン第2節)以来となる、パリSGでの通算196ゴール目となった。

 ゴールが決まった瞬間も驚きのシーンが見られた。なんとネイマールが真っ先にカバーニに飛びついて喜びを共有したのである。これには、観衆もチャントをスタジアム中に轟かせて陶酔。スタジアムは幸福の絶頂を迎えた。安堵の表情を浮かべた当人も、あの「銃撃セレブレーション」のジェスチャーを遠慮がちにやってみせた。

 試合後、チームメイトたちからはネイマールへの賛辞が相次いだ。マルキーニョスが、「美しい行動だった。おかげでエディンソンも再びゴールすることができたんだ」と利他性を強調すれば、指揮官もトーマス・トゥヘルも「僕は本当に嬉しい。彼が大きなハートをもっている証明だ」と10番を絶賛した。

 だが、新たな問題が噴出している。2020年6月で満了となるカバーニの契約延長交渉はが一向に進んでいないのだ。このまま行けば、今シーズンの終了後にはフリーエージェントとなってしまう。本人はパリ愛を強調し、残留の意向を強めていたが、レオナルドSDはいまだ明快な答えを出していない。

 ついにネイマールとの関係修復に至ったカバーニは、パリSGといかなるハッピーエンドを迎えるのだろうか。

取材・文●結城麻里
Text by Marie YUUKI
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