最悪なケースはミラン…
1位のリールはこの10年間で2億4930万ユーロ(約304億円)ものプラス収支。古くはユース出身のエデン・アザール(チェルシーに売却/現マドリー)などを売っているが、最近は業界屈指のエージェントであるジョルジュ・メンデス(クリスチアーノ・ロナウドやジョゼ・モウリーニョの代理人)が深く食い込み、そのスーパー代理人のコネを活かしながら「選手を安く買って高く売る」を徹底。今夏もニコラ・ペペ(アーセナル)やラファエル・レオン(ミラン)を売って巨額の利益を上げている。
2位のジェノアも1億1930万ユーロ(約241億円)と巨額のプラス収支。エンリコ・プレツィオージ会長率いるこの古豪はサッカー界における「プレーヤートレーディング」の先駆け的なクラブで、掘り出し物を買って価値を高め、すぐに売却するソリューションが得意だ。
最近の代表例はクシシュトフ・ピョンテク。18年夏に450万ユーロで購入したポーランド代表FWが、いきなりのゴール量産でブレイクすると、19年1月には購入時の約8倍に当たる3500万ユーロでミランに売り捌いた。
3位のリヨン、4位のウディネーゼなども似たようなクラブ運営をしており、欧州的に見れば中小規模であるこれらのクラブにとっては、移籍金収入は文字通りの生命線だ。
2位のジェノアも1億1930万ユーロ(約241億円)と巨額のプラス収支。エンリコ・プレツィオージ会長率いるこの古豪はサッカー界における「プレーヤートレーディング」の先駆け的なクラブで、掘り出し物を買って価値を高め、すぐに売却するソリューションが得意だ。
最近の代表例はクシシュトフ・ピョンテク。18年夏に450万ユーロで購入したポーランド代表FWが、いきなりのゴール量産でブレイクすると、19年1月には購入時の約8倍に当たる3500万ユーロでミランに売り捌いた。
3位のリヨン、4位のウディネーゼなども似たようなクラブ運営をしており、欧州的に見れば中小規模であるこれらのクラブにとっては、移籍金収入は文字通りの生命線だ。
一方で収入が桁違いに多いメガクラブは、移籍金収入がマイナスになってもそこまで大きな問題ではない。この10年で最下位のマンチェスター・Cは10億9080万ユーロ(約1363億円)、41位のパリSGは9億130万ユーロ(約1127億円)も移籍金収支が赤字になっているが、中東オーナーのバックアップもありクラブ基盤はまったく揺らいでいない。
ただ、UEFAのFFP制度は収支以上の支出を基本的に禁止しており(移籍金のみならず全収支が対象)、実際にマンチェスター・CとパリSGは何度かその処罰対象に挙がっている。そのため最近は、「売り」はもちろん「買い」に関してもかなり積極的になっている。
クラブ運営的に最悪のケースは、移籍金収支で大赤字を出すうえ、ピッチ上の結果も出ず、人気も落ちて総収入が伸び悩み、その穴埋めができないクラブ。そんな失敗例がミランだ。アーセナルとインテルもその予備軍で、マンチェスター・Uもいまだ売上高や人気で世界最高クラスを誇るとはいえ、このまま不振が長引けば遠からずそんな負のスパイラルに陥りかねない。
構成:ワールドサッカーダイジェスト編集部