“模範的”なコロンビアに完敗した五輪代表の「現実」【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年12月03日

試合後に久保がこぼした本音

 開始5~10分の手合わせで、コロンビアは戦い方を決めた。久保建英、堂安律と中盤を分断し、“兵站線”を切った。トップの上田綺世も潰し、相手の攻撃を無力化した後、頼りなげだったバックラインとボランチにプレスをかけ、押し込んだのである。

<コロンビアは日本を凌駕した>

 それが彼らの視点だろう。

「東京五輪での金メダル」

 日本U-22代表は、そこを目標に掲げている。冨安健洋、田中碧、そしてオーバーエイジ3人が加わったら、見違えるチームにはなる。ポテンシャルは高いが、コロンビア戦も一つの現実だ。

「負けたことで、みんなに危機感が生まれたと思います」

 久保の正直な言葉である。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
 
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