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「国見時代も含めて一番苦労した年」高校サッカーの名伯楽、小嶺忠敏監督が指導歴51年目の冬に掴んだ選手権の舞台

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2019年11月19日

予選決勝では2年生GKを抜擢。見事に期待に応え全国切符を勝ち取る

 今年は春先から苦戦を強いられた。鈴木冬一(現湘南)を擁してベスト16入りを果たした昨年と比較しても、個々の力で見劣りしていたのは否めない。県新人戦は8強止まり。夏のインターハイ予選も同じく準々決勝で姿を消した。だが、小嶺監督は変わらず、子どもたちに愛情を注いだ。根本にあるのは選手を信じること。遠征があれば帯同し、学校では孫に近い年の子どもたちと寮で寝食を共にする。時には近い距離で接し、冗談を交えて笑いを取りながらモチベーションを高めてきた。今まで培ってきた様々な引き出しを開けながら、チームをひと回りもふた回りも逞しくさせてきたのだ。

 今回の地区予選決勝でも、選手を育てるスタンスを変えなかった。相手はかつて指揮を執った国見。この大一番でU-16日本代表歴を持つ2年生GKの梶原駿哉を起用した。少なからず不安もあったが、小嶺監督は信念を貫いた。

「コーチ陣から反対もあったけど、負けてもいいから使おう」

 もちろん、負けるつもりでピッチに送り出したわけではない。この言葉は何かあれば俺が責任を取る覚悟を表わしたものだが、「あいつがいなかったら負けていた」というパフォーマンスで梶原も期待に応えた。

 そうした信頼関係を選手たちと築き、再び選手権の舞台にやってきた。長崎総科大附では4年連続7度目の出場。ただ、最高成績は2年前のベスト8で頂点には立っていない。今大会は1回戦で古豪の丸岡と対戦することが決まった。

「今のチームは受けて立つような力はない。彼らがどんな戦いをするか。まあ、このチームで4つまで行っても負けるんだから(笑)」

 不敵な笑みを浮かべた小嶺監督だが、4強で負けるつもりなんて毛頭ないだろう。令和で迎える初めての選手権――。名伯楽は子どもたちとともに新たな歴史を作る。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)


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