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圧倒的な攻撃と盤石の守備。埼玉の雄、昌平はいかにして夏の屈辱からV字回復を遂げたのか【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

河野正

2019年11月18日

激戦区を「21得点・1失点」で鮮やかに突破!

ライバルたちを寄せ付けない強さで埼玉を制した昌平。本大会での躍進に期待がかかる。写真:早草紀子

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 第98回全国高校サッカー選手権・埼玉大会は11月17日、埼玉スタジアムで決勝が行なわれ、昌平が西武台に4-0で快勝し、2年ぶり3度目の優勝を遂げた。昌平は最近6年間ですべてベスト4以上に入り、決勝進出も4度と、抜群の安定感で埼玉をリードする存在に急成長している。

 互角の展開で前半の終盤に差し掛かった前半27分、昌平は右CKからCB西澤寧晟(3年)がヘディングで巧みに流し込んで先制。「頭に当たったのは分かりましたが、相手が密着していて飛んだコースが見えなかった。人生で一番うれしい得点です」と守備の重鎮は破顔一笑だ。

 後半に入ると持ち味が加速する。5人のMF陣は全員が軽やかなドリブルを身に付け、リズミカルなパス交換と効果的なチェンジサイドで敵のマークをはがしていった。

 後半10分、MF鎌田大夢(3年)の縦パスをMF柴圭汰(2年)がヒールで落とし、預かった司令官の須藤直輝(2年)がシュート。GKが懐に収めかけたが、勢いが強く弾き飛ばした。21分には須藤が長い距離を運び、右から上げたクロスがオウンゴールを誘う。7分後には左から短いパスを通わせ、MF紫藤峻(3年)の最終パスを鎌田が頭で突き刺し、西武台に引導を渡す4点目を奪った。

 
 1回戦から6試合を戦い、21得点・1失点で頂点に立ったのだが、就任13年目の藤島崇之監督は、看板の攻撃陣ばかりにスポットが当たるのは心外のようで、まずは盤石な守備を勝因に挙げた。「(決勝での)無失点は選手が頑張った結果」と話し、「後ろが粘り強く守ったほか、攻撃陣の守備もいままでのチーム以上に活性化している。それが1失点とチームの成長につながった」と述べ、ボールへ先んじる出足の良さ、連動的にプレス網を張り巡らせる組織守備の完成をいの一番に喜んだ。

 2次リーグが廃止され、埼玉大会が現行の決勝トーナメント制に移行した第92回大会以降、1回戦からの参戦は初だ。昨年まで3年間は夏のインターハイ(高校総体)予選で3連覇し、3回戦から登場していたが、今季は関東大会とインターハイの両予選でいずれも2回戦敗退と不振を極めた。

 2年生ながらゲーム主将を任命された須藤は「悔しくて情けなくて、落ち込むこともあったが、夏休みに猛練習し、みんなでたくさん話し合いました。この大会は全員が自覚を持って戦い、1試合ごとに成長できた」と笑顔を振りまいた。
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