「県大会が一番難しい…」大苦戦の末に23年連続出場を決めた王者・青森山田。最激戦ブロックで強さは甦るか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2019年11月19日

選手権初戦は大分入団内定DFを擁する強豪・米子北との対戦

U-18日本代表にも選ばれる青森山田の主将・武田(左)。つい先日までベトナムでアジア予選を戦った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 周囲からすれば「勝って当たり前」という認識を持たれ、県内のライバルたちは一泡吹かせてやろうと並々ならぬ闘志を燃やしてくる。それでも勝利を掴まなければならない。だが、青森山田はここ数年では見られない薄氷を踏む勝ち上がりとなった。

 選手権連覇を目指す“東北の雄”は11月16日に地区予選決勝を戦った。相手は八戸学院野辺地西。80分間を終えてスコアレス、延長戦に入っても得点を奪えずにPK戦へと突入した。最後はなんとか白星を拾ったものの、大苦戦の末に掴んだ23年連続25度目の出場権だった。

 18日に行なわれた高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会。黒田剛監督に今予選の戦いぶりを尋ねてみると、「周りのレベルが上がって、強くなっている。打倒青森山田で集まってきた子どもたちばかり。勝つのは簡単じゃない」とし、以前と比べて力は拮抗していることを認めた。

 青森山田中出身の武田英寿(浦和レッズ入団内定)も「県大会が一番難しい。自分は中学校から青森県大会を戦ってきたけど、ずっとそれは思っていた」とし、王者だからこそのプレッシャーが展開を難しくしたという。

 加えて、今回は主将で10番の武田がU-19アジア選手権の1次予選に臨むU-18日本代表に選出。その影響で変則的なスケジュールで予選が行われたため、例年以上に調整が難しかった側面もある。準々決勝と準決勝は1週間の間隔で試合をこなしたものの、そこから3週間ほど公式戦から遠ざかる日程だった。とはいえ、その影響は多少なりともあったとしても、他チームも同様の条件であり、エクスキューズにすることはできない。

 決勝ではチャンスを作りながらも決め切れなかった。
「決定機を外したのが痛かった。決めていれば良かったけど、バーやポストに当たってばかりだった」と指揮官も嘆いた通り、攻撃陣が課題を残したのは認めるしかない。そこは本大会までに修正すべきポイントだろう。選手たちも問題点を理解している。

「セットプレーから決め切れなかったのは痛かったですし、自分のところで決めきれるチャンスはあった。全国では決めないと0−1で守り切られてしまうかもしれないので、精度を上げていかないといけない」(武田)

 8月以降のプレミアリーグEASTでは5試合で2分3敗。首位こそ維持しているが、選手権予選無失点の守備陣がリーグ戦では10失点を喫してまるで振るわなかった。特に終盤に失点する悪癖が度々顔をのぞかせ、“青森山田らしい”勝負強さが鳴りを潜めている。

 攻守両面で課題を抱えている中で、今回の選手権は最激戦区のAブロックに組み込まれた。初戦となる2回戦で大分トリニータ入団内定の注目CB高橋祐翔を擁する米子北、勝ち上がればインターハイのファイナリストである富山一やMF山田真夏斗(松本山雅入団内定)が牽引する立正大淞南、さらに準々決勝では昌平、興國、神村学園、國學院久我山といった強豪と対戦する可能性がある。どこも簡単には勝たせてくれない実力校だ。そうしたライバルたちを倒し続けなければ、連覇は果たせない。県予選の苦戦を経て、常勝軍団が強さを取り戻せるか注目だ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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