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チャナティップからヒーローの座を奪った豪州系マレー人とウルトラ・マレーシア。西野タイは混戦の2次予選を勝ち抜けるか

カテゴリ:国際大会

佐々木裕介

2019年11月17日

試合を統率したのは“12番目の選手”

1得点・1アシストの活躍でチームを勝利に導いたギャンがマスコミからの取材を受ける。写真:佐々木裕介

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 しかしこの試合のMVPは、ゴール裏に陣取り、90分を通じてチームを鼓舞し続けたウルトラ・マレーシア(強力且つ組織的な応援を繰り広げるマレーシア代表のサポーター集団)だったことは間違いない。ギャンのコメントにもあるように、開始早々に先制されたマレーシア代表へ、彼らの止まることを知らない声援が勇気を与えたことは明らかだった。

 ブキット・ジャリル・スタジアム。いつ訪れても心をくすぐられる場所である。8万7000人収容可能な大箱で感じる雰囲気は、東南アジアにおけるフットボール遺産のひとつだろう。この日の観衆は3万9363人。それでも空席が目立ち少ないと感じてしまうのはサイズ故のこと。試合後、彼らの狂喜乱舞する様には鳥肌が立った。

 マレーシアがタイに勝利したことで、グループGは混戦模様となってきた。今節、UAEに勝利したベトナムが首位を奪取。続くタイ、UAE、マレーシアまでが勝点4差で競っている。残り4試合、まだまだ険しい戦いが続くことは必至だ。

 次節は19日、マレーシア代表はホームへインドネシア代表を迎え“イスラミックダービー”を、タイ代表はアウェーで“宿敵”ベトナム代表と相まみえる。

 試合後、足早にスタジアムを後にしたタイ代表。5日間しかないインターバルで心身共に回復しなければならない。“西野采配”が冴えを取り戻すことができるのだろうか、楽しみだ。

「東南アジア版オリンピック」とも呼ばれ何時も盛り上がりをみせる、開幕の迫ったSEA GAMESが霞んでしまう程に、カタール行きを掛けた戦いが盛り上がりを見せている。

取材・文●佐々木裕介
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