「見苦しいかもしれないけど」2試合連続ベンチ外の中村俊輔は今、何を思う?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年10月21日

納得する形でなければ、幕を下ろすつもりはない

京都戦翌日の練習後、ひとりでグラウンドを走る俊輔。苦しい状況が続いているが、いつ出番がきてもいいように準備はしている。(C)SOCCER DIGEST

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 当然ながら、試合に出られない現状に甘んじているわけではない。2試合連続メンバー外になっていることについては、「めちゃくちゃ悔しい」と正直な想いを吐き出す。

 試合に出られなければ、悔しいし、なにくそ、という気持ちになる。41歳になっても、ある意味、若い頃のように気力がみなぎってくる。「だから、大丈夫だよ」と、俊輔は静かに言う。

 ベテランと呼ばれる年齢になっても、変に余裕ぶらない。がむしゃらに、ポジションを奪い返そうとしている。

 そんな自分が周りからどう見られているのか、俊輔も十分承知している。かつてチャンピオンズリーグの舞台でも活躍した元日本代表の10番が、今はJ2のクラブでベンチ外の立場で、必死にもがいている。

「ちょっと“イタイ”っていうかね、見苦しいかもしれないけど」

 だが、俊輔は世間体を気にしたり、体裁を取り繕うようにカッコつけたりはしない。過去には、J1にいるうちに引退したらどうか、と勧められたこともあったというが、俊輔は耳を貸さなかった。

 引き際は自分で決める。なんのために、ここまで現役を続けてきたのか。理想とするフットボーラー像がある。自分にしかできないプレーがある。“ファンタジスタ”としての意地やプライドがある。納得する形でなければ、幕を下ろすつもりはない。このままベンチ外で終わるわけにはいかない。

「41歳になっても、こうやってサッカーをやらせてもらっているんだから」

 なによりも、感謝の気持ちがある。周囲の期待に応えるためにも、自分が信じるプレーで再び、輝きを放つためにも。ブレない心で、俊輔は走り続ける。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)


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