「だからもう一回、自分の感覚を取り戻したい」
シーズン途中の移籍は、中村俊輔にとって初めての経験で、「チームはもうでき上っているから。そこに入るのは難しい」と言う。それでも、13年ぶりのJ1昇格に向けて邁進している横浜FCで、プロとして現役を続けられていることに大きな喜びを感じている。
「プレッシャーはあるけど、ピリピリした生活」に、モチベーションはさらに高まって、チームへの期待感もますます膨んでいく。
「前の試合で点を取ろうが、紅白戦でちょっと動きが悪かったり、意識が低かったりすると、交代させられる。それだけ見られているということだから、紅白戦のテンションは高いし、内容を見てみても、レベルは相当に上のほうにあると思う」
健全かつ熾烈な競争の中で、サッカーに打ち込めている。「そういう風に考えると、J2というカテゴリーは関係ない」ときっぱり。強がりではない。選手としてのステータスを考えれば、J1のクラブに所属し、それなりに高い年俸をもらって、日本代表に絡むのが理想かもしれない。だが俊輔からすれば「それはもうやってきた」こと。未練はない。
だからといって“現状維持”で満足するつもりもない。「(J2に)染まらないように」と、常にJ1のプレーレベルを念頭に置くように努める。そうしたスタンスが選手寿命を引き延ばすと考えているからだ。
「40歳を越えたら、筋力も走力も落ちていくに決まっている。それを少しでも下げないように、フィジカルを鍛えて、筋トレもして、いっぱい走る。判断のスピードも鈍くならないように。そうした作業もたくさんあるから、やっぱり充実している」
41歳となり、キャリアの晩年に差し掛かっているのは重々承知している。「J1でもできる自信はある」一方で、現実も受け入れなければならない。衰えを認めている自分がいるが、「もう半分では、それを認めてはいけないと思っている自分もいる。認めてしまったら、どんどん落ちていく」と懸命に抗おうとする。
「プレッシャーはあるけど、ピリピリした生活」に、モチベーションはさらに高まって、チームへの期待感もますます膨んでいく。
「前の試合で点を取ろうが、紅白戦でちょっと動きが悪かったり、意識が低かったりすると、交代させられる。それだけ見られているということだから、紅白戦のテンションは高いし、内容を見てみても、レベルは相当に上のほうにあると思う」
健全かつ熾烈な競争の中で、サッカーに打ち込めている。「そういう風に考えると、J2というカテゴリーは関係ない」ときっぱり。強がりではない。選手としてのステータスを考えれば、J1のクラブに所属し、それなりに高い年俸をもらって、日本代表に絡むのが理想かもしれない。だが俊輔からすれば「それはもうやってきた」こと。未練はない。
だからといって“現状維持”で満足するつもりもない。「(J2に)染まらないように」と、常にJ1のプレーレベルを念頭に置くように努める。そうしたスタンスが選手寿命を引き延ばすと考えているからだ。
「40歳を越えたら、筋力も走力も落ちていくに決まっている。それを少しでも下げないように、フィジカルを鍛えて、筋トレもして、いっぱい走る。判断のスピードも鈍くならないように。そうした作業もたくさんあるから、やっぱり充実している」
41歳となり、キャリアの晩年に差し掛かっているのは重々承知している。「J1でもできる自信はある」一方で、現実も受け入れなければならない。衰えを認めている自分がいるが、「もう半分では、それを認めてはいけないと思っている自分もいる。認めてしまったら、どんどん落ちていく」と懸命に抗おうとする。
「ある意味、引退に近づいているわけでしょ? だからもう一回、自分の感覚を取り戻したいというか、自分のプレーを“探す”というか。あの時、こんなプレーをしていたな、って。そういう自分を、なんていうのかな、確かめたいんだよね」
怪我が長引き、引退の二文字が頭をかすめたこともあった。「これが治らなかったら……」と不安に駆られたが、ピッチに戻ってこれた。
「まだ90分、プレーできるんだって。それだけでも本当に嬉しくて」
だからポジションがどこだろうと、それは些末な問題でしかない。
「自分にできること、求められることは、全部やる。ガンガン走って、サッカーを全力で楽しむ。そのほうが“やりきった感”で選手を辞められる。そういう想いがベースにあるから、どんな要求をされても、不満なんてひとつもない」
サッカーを楽しみながら、“これぞ中村俊輔”というプレーでチームの勝利に貢献する姿を期待したい。
※本記事は、サッカーダイジェスト9月26日号(9月12日発売)掲載の記事から一部抜粋・加筆修正したもの。
インタビュー完全版は9月12日発売のサッカーダイジェストで!

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【横浜FC練習PHOTO】好調なチームを支える3人のレジェンド!
怪我が長引き、引退の二文字が頭をかすめたこともあった。「これが治らなかったら……」と不安に駆られたが、ピッチに戻ってこれた。
「まだ90分、プレーできるんだって。それだけでも本当に嬉しくて」
だからポジションがどこだろうと、それは些末な問題でしかない。
「自分にできること、求められることは、全部やる。ガンガン走って、サッカーを全力で楽しむ。そのほうが“やりきった感”で選手を辞められる。そういう想いがベースにあるから、どんな要求をされても、不満なんてひとつもない」
サッカーを楽しみながら、“これぞ中村俊輔”というプレーでチームの勝利に貢献する姿を期待したい。
※本記事は、サッカーダイジェスト9月26日号(9月12日発売)掲載の記事から一部抜粋・加筆修正したもの。
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取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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