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「俺が知っているバルサじゃない」U-19監督ビクトール・バルデス電撃解任の真相――斬新すぎる戦術でクライファートと口論し…【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年10月21日

“暴れ馬”ぶりは度を越していた

 もちろん状況を是正するため、何度か話し合いの場が持たれたが、バルデスは自らの信念を曲げることはなかった。自らが発案したメソッドが伝統のバルサスタイルと一線を画したものであることを理解していたが、十分な説明をせずに、がんじがらめに縛り付けるだけのクラブのやり方こそ一方的と考え、加速度的に不満を蓄積させていった。

 一連の衝突が逐次メディアで報じられていたことについても、クラブ側が解任に仕向けるため意図的にリークしていたと猜疑心を募らせ、双方の関係は完全に破綻していた。そして最高責任者との口論という形で不満を爆発させたその週末に行われたジムナスティック・タラゴナ戦の遠征メンバーから外れ、そのまま解任の運びとなった。

 前述の親しい友人によればバルデスは解任の報にショックを受けているというよりも安堵の表情を見せているという。BチームとフベニールAの責任者を務め、バルデスの人柄もよく知るクラブ幹部のシルビオ・エリアスは就任当時、こう期待を述べていた。

「ギラギラした闘志を持った暴れ馬を乗りこなすのと、気力が伏せた馬をロープで縛るのとの二者択一を迫られたら、私は前者を選ぶ。大きな野心とエネルギーを持ってバルデスはバルサに戻ってきた。彼の復帰はクラブにとって朗報だ」

バルデスはエリアスが期待していた通りの暴れ馬ぶりを見せた。しかしその度を越えてしまい、選手時代と同様に“裏門“からバルサを去ることを余儀なくされた。
 
 現役時代、退団を数か月後に控え、膝を負傷するという不運も重なったが、治療のためにしばらくアウクスブルクのクリニックに電車で通院した。その経験を境に、バルデスは5ユーロ札1枚と小銭3枚ほどポケットに入れ、出かけることが習慣になったという。

 エキセントリックさとストイックさを併せ持った彼らしいエピソードだが、周囲の友人たちには「俺は何も変わっちゃいない。変わったのはバルサだ」と不満を漏らしているという。

 一方のバルサの幹部は、「バルデスの振る舞いは許容の範囲を超えていた。古巣のうちでもダメだったんだ。あれでは世界中のどのクラブに行っても同じだろう」と一刀両断する。“離婚”というこの結末は、最初から運命づけられていたのかもしれない。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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