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アンス・ファティ、久保建英、イ・ガンイン…「早熟の天才」を持ち上げ過ぎるサッカー界の悪しき風潮【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年10月09日

同年代の選手が誰も経験したことのない過度のプレッシャーを

ファティが塗り替えるまでバルサの最年少得点記録を持っていたボージャン。だがその後は悩み、現在はMLSでプレーする。(C)Getty Images

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 過去にもイケル・ムニアインが16歳で、ラウール・ゴンサレスとボージャン・クルキッチが17歳でトップチームデビューを果たしている。しかしラウールのように当初の期待を上回る結果を残した選手もいれば、トップリーグで息長く活躍した者、数年後に表舞台から消えていった者とその後のキャリアはそれこそ千差万別だ。

 我々メディアはブレイクを果たした若手に対し、何の責任も負うことなく有名選手と比較し、その特徴に合いそうな呼び名をつける。しかしその後、そのレッテルが分不相応なものになった場合、残酷な現実とのギャップに苦しむのは選手たちである。

 90年代初頭にアンデルレヒトにニイ・ランプティという選手がいた。「ネクスト・ペレ」と脚光を浴び、16歳の彼がトップチームの試合に出場できるよう、ベルギー・リーグのルールが改正するほど周囲の期待は過熱したが、20歳を迎える頃にはそのキャリアは下降線を描き、そのままドロップアウトを余儀なくされている。
 
 ファティの将来性については疑問を挟む余地はない。そのプレーは若者らしい思い切りの良さに加え、インテリジェンスにも溢れ、実際、判断ミスを犯すことはほとんどない。問題はたった数試合で、サッカー界に現れた「新たなメシア」と騒がれ、将来性豊かなホープという本来の立ち位置を遥かに超えた扱いを受けてしまっていることだ

 我々は知らず知らずのうちに、この若者にこれまで同年代の選手が誰も経験したことのない過度のプレッシャーの中でのプレーを強いる状況を作ってしまっているのだ。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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