飛躍のキーポイントになったのは?
チェルシー・アカデミーで順調に成長していったエイブラハムだったが、多士済々の名手が集うトップチームですぐさまチャンスをもらえるはずもなく、2016年の夏から武者修行に出た。そして、そのレンタル先でも目覚ましい活躍を見せるのだ。
16-17シーズンに19歳で加入したブリストルでは、定位置を確保して23得点をマーク。チャンピオンシップ(英2部)における10代の最多得点記録も樹立した。
翌シーズンに加入したスウォンジーでは、降格の憂き目にあうも、自身は初のプレミアリーグで9ゴールと気を吐いた。そして再びチャンピオンシップに活躍を移した昨シーズンは、アストン・ビラで25得点を挙げてリーグのベストイレブンに選出されている。
この3年間を通じてシニアレベルでも通用する得点感覚を身に付けられた鍵は、メンタル面にあったようだ。
「以前は決定機を外した際には頭が真っ白になることもあった。でも、それではダメだと学んだんだ。ワールドクラスのストライカーであるセルヒオ・アグエロやハリー・ケインは、失敗しても何度でもゴールを狙い続けるからね。それが自分にも必要だと感じたよ」
16-17シーズンに19歳で加入したブリストルでは、定位置を確保して23得点をマーク。チャンピオンシップ(英2部)における10代の最多得点記録も樹立した。
翌シーズンに加入したスウォンジーでは、降格の憂き目にあうも、自身は初のプレミアリーグで9ゴールと気を吐いた。そして再びチャンピオンシップに活躍を移した昨シーズンは、アストン・ビラで25得点を挙げてリーグのベストイレブンに選出されている。
この3年間を通じてシニアレベルでも通用する得点感覚を身に付けられた鍵は、メンタル面にあったようだ。
「以前は決定機を外した際には頭が真っ白になることもあった。でも、それではダメだと学んだんだ。ワールドクラスのストライカーであるセルヒオ・アグエロやハリー・ケインは、失敗しても何度でもゴールを狙い続けるからね。それが自分にも必要だと感じたよ」
前述したようにチェルシーが補強禁止処分を受けたことで、トップチームに定着した今シーズンのエイブラハムは、確かな成長ぶりを示している。
スピード、パワー、足下の技術、どれも高いレベルで兼ね備えているうえに、守備の場面でもプレスも怠らない。能力の高さは一目瞭然だ。UEFAスーパーカップのリバプール戦で見せた、フィルジル・ファンダイクを背負いながら強引にシュートにまで持ち込んだシーンは、ドログバを想起させた。
もちろん、現時点でその大先輩と比較するのは時期尚早だ。そのシーンでは、最終的にシュートに威力を込めることができず、ネットを揺らすことができなかった。
また、ここまでリーグ戦で4ゴール決めている点は評価できるものの、その内訳はノーリッジとシェフィールド・ユナイテッドから2ゴールずつと、いずれも昇格組から挙げたものなのだ。
このリーグで楽な対戦相手などいないとはいえ、上位陣との対戦も含めてコンスタントに得点を重ねてこそ、真のエースストライカーである。重要な一戦で勝負強さを発揮できるかが、今後のキャリアを左右することになるだろう。
幸い、フランク・ランパード監督は若手の起用に積極的な指揮官であり、未来のエース候補が点を取れない時期が続いたとしても、辛抱強くチャンスを与えることだろう。
まさに千載一遇のチャンスを得ているエイブラハム。これまでの経験で培った、折れずにゴールを狙い続ける強いメンタルで、“ビッグ6”のライバルからゴールを奪えることを証明したい。
文●内藤秀明(プレミアパブ)
text by Hideaki NAITO