【セルジオ越後】「学歴社会」や「部活動中心」は正解か?その弊害を理解しなければ…

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2019年08月27日

ユニバーシアードでは7回も世界一になっているのに…

世界的に有名な選手の多くは、テニスなどの個人種目。しかも部活動ではなくクラブ活動で育った選手が目立つ。(C)Getty Images

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 さらに部員が多すぎるのは、練習の効率化という点でも弊害が出る。全員のメンバーに指導を行き渡らせるには相応の時間が必要だし、指導者ひとりでは見切れない事態も起きる。どうしても偏りは出てしまうだろう。

 この問題についてはサッカーだけでなく個人競技にも言える。例えば、テニスクラブにいけば2時間みっちり、コーチ付きっ切りでのトレーニングができる。一方で学校の部活動ではどうだろう。30人が代わりばんこでサーブの練習をしていたりする。これはサッカーなら、例えばシュート練習なんかにも言えるよね。

 これが日本のスポーツ文化の悪いところだ。例えクラブと同じメニューをやっていても、効率が悪いから質が全然違ってくる。それが大きな差になってくるんだ。実際にテニスの錦織圭なんかは青森山田高に籍を置いてはいたけど、部活動では活動していなかったよ。

 指導者の質よりも組織のあり方に問題があるんだ。学校単位でサッカーをやる国は世界でも珍しい。確かに日本の学校スポーツは、とても充実している。学生のためのオリンピックとも言われるユニバーシアードで、サッカーは世界最多7回の優勝を経験しているんだ。そんな事実から、日本の学校スポーツ文化がうかがえるよね。

 しかし、実際にプロレベルになると、世界の強豪国に歯が立たない。長年続いた体制を変えるのは簡単ではないけど、旧態依然とした組織では、やはり世界から遅れる部分が出てしまうことを理解しなければいけないよ。

構成●サッカーダイジェスト編集部
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