サラゴサ出身の“意外な人物”が仲介役に
30歳となり、クラブレベルでは、年齢を重ねるとともにキャリアが徐々に下降線を描いている香川だが、その一方で日本代表ではいまなお重要な選手であり続けている。昨年のロシア・ワールドカップでも日本の決勝トーナメント進出に大きな貢献を果たした。
そんな日本のサッカー史を彩る偉大な功績を残してきたMFが、長年に渡って秘めていた思いが、スペインでプレーすることだった。この夏もその希望を優先して移籍先を探し、実際、セルタとは加入寸前までこぎ着けた。しかし最後のところで条件面で折り合いがつかず、香川は代理人に別の候補を探すように命じた。
そんななか、サラゴサと香川との重要な仲介役を果たしたのは、意外な人物だった。香川とほぼ入れ替わる形でマンチェスター・Uに加入し、14年夏のわずかな期間ながらチームメイトだったアンデル・エレーラ(現パリ・サンジェルマン)だ。
そんな日本のサッカー史を彩る偉大な功績を残してきたMFが、長年に渡って秘めていた思いが、スペインでプレーすることだった。この夏もその希望を優先して移籍先を探し、実際、セルタとは加入寸前までこぎ着けた。しかし最後のところで条件面で折り合いがつかず、香川は代理人に別の候補を探すように命じた。
そんななか、サラゴサと香川との重要な仲介役を果たしたのは、意外な人物だった。香川とほぼ入れ替わる形でマンチェスター・Uに加入し、14年夏のわずかな期間ながらチームメイトだったアンデル・エレーラ(現パリ・サンジェルマン)だ。
香川の代理人を務めるアルトゥーロ・カナレスはジェラール・ピケやイバン・ラキティッチ(いずれもバルセロナ)のほか、アンデルもクライアントとして抱えている。そしてそのスペイン人MFは、下部組織時代から在籍し、父親のペドロが12年5月までテクニカル・ディレクターを務めたサラゴサの現状を憂慮し、いまでも関係者と定期的に連絡を取り合っていたのだ。
代理人を通じて香川がスペインでのプレーを希望していることを知ったアンデルは、その旨をクラブ関係者に伝えると、リキ・プッチ(バルサB)の獲得に失敗し、攻撃陣をテコ入れする新たな人材を探していたサラゴサとのニーズが一致。スポーツ・ディレクターのラロ・アランテギが香川サイドに連絡を入れると、もうそこからはトントン拍子で話は進行し、先週には前述のカップウィーナーズ・カップを制した時の指揮官で、昨シーズン途中に2度目の監督復帰を果たしたビクトール・フェルナンデスが、記者会見で「近日中に重要な出来事が起こる」と予告するまでになっていた。
自ら今月5日の午後の練習を欠席し、最後の交渉が行われたマドリードに赴き香川本人とも会っていた指揮官は、その時点で入団が確定したことを知っていたのだ。
「サラゴサに入団できてとても幸せだ。1部に復帰できるよう一緒になって戦っていきたい」
現地入りし第一声でこう語った香川。求められるのは当然、攻撃の中心選手としての役割だ。この名門を1部復帰に導くミッションを達成した暁には、後年になって、クラブに在籍した名手のひとりとして、サラゴシスタの間で語り継がれることになるはずだ。
文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
記者プロフィール/スポーツ紙の『ムンド・デポルティボ』での2年間を経て、『エル・パイス』に移籍。以来15年以上に渡って健筆を振るい、現在はバルセロナ番記者を務める。18歳までサラゴサで生まれ育ち、2部に降格して以降も、折に触れて故郷のクラブの記事の執筆も担当。昨年12月には、復帰直後のビクトール・フェルナンデス監督へのロングインタビューも行なっている。
代理人を通じて香川がスペインでのプレーを希望していることを知ったアンデルは、その旨をクラブ関係者に伝えると、リキ・プッチ(バルサB)の獲得に失敗し、攻撃陣をテコ入れする新たな人材を探していたサラゴサとのニーズが一致。スポーツ・ディレクターのラロ・アランテギが香川サイドに連絡を入れると、もうそこからはトントン拍子で話は進行し、先週には前述のカップウィーナーズ・カップを制した時の指揮官で、昨シーズン途中に2度目の監督復帰を果たしたビクトール・フェルナンデスが、記者会見で「近日中に重要な出来事が起こる」と予告するまでになっていた。
自ら今月5日の午後の練習を欠席し、最後の交渉が行われたマドリードに赴き香川本人とも会っていた指揮官は、その時点で入団が確定したことを知っていたのだ。
「サラゴサに入団できてとても幸せだ。1部に復帰できるよう一緒になって戦っていきたい」
現地入りし第一声でこう語った香川。求められるのは当然、攻撃の中心選手としての役割だ。この名門を1部復帰に導くミッションを達成した暁には、後年になって、クラブに在籍した名手のひとりとして、サラゴシスタの間で語り継がれることになるはずだ。
文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
記者プロフィール/スポーツ紙の『ムンド・デポルティボ』での2年間を経て、『エル・パイス』に移籍。以来15年以上に渡って健筆を振るい、現在はバルセロナ番記者を務める。18歳までサラゴサで生まれ育ち、2部に降格して以降も、折に触れて故郷のクラブの記事の執筆も担当。昨年12月には、復帰直後のビクトール・フェルナンデス監督へのロングインタビューも行なっている。