「前線のどこでボールが欲しいのか――」
ところが、オーストラリア戦はチーム全体の攻撃がなかなか形にならなかった。アンカー長谷部の両脇を相手にうまく使われ、日本はズルズル後退。プレスをうまくかけられなかったことで、アギーレ監督は遠藤をボランチに下げる4-2-3-1へのシステム変更を決断し、香川はトップ下に移った。
それでも、ナンバー10は本領を発揮できなかった。「プレスがうまくハマるようになり、ボールをつなぐ時間帯も少し増えた」(香川)日本は、試合の流れを引き寄せることには成功したが、香川自身は本来のプレーを見せられなかった。
香川が苦戦を強いられたのは、ひとつはオーストラリアが中央部の守備を固めていたからだ。とりわけ大きかったのが、プレミアリーグで活躍中のジェディナク(クリスタル・パレス)が、バイタルエリア周辺の警戒を怠らず、最終ラインの防波堤として機能していたことだ。
「相手の15番(ジェディナク)がすごくいいディフェンスをしてきて、自分としてはボールを受けるタイミングがつかみにくかった。だから、それよりも簡単にプレーすることを意識した」
と振り返った香川は、マークの薄いサイドにいる本田や乾(武藤と交代)へシンプルにはたいたり、自らがおとりになったりすることで、攻撃を活性化しようとした。
しかしながら、肝心のリターンパスもクロスボールもいい形で香川に入ってこなかった。シュートは、今野のドリブル突破からつかんだ50分の1本のみ。
「前線のどこでボールが欲しいのか、どうやってコンビネーションをしたいのかなど、もっと連係を高めていく必要がある。集まる機会がなかなかないので、それが代表の難しさでもあるけど、そこの質はもっと上げていかないと」
「しっかりと結果を残せるよう、(アジアカップまでの)残りの1か月、頑張ります」
香川はそう言葉を結んだ。
チームの中でどう活きるか、チームとしてどう活かすか――。命題を抱えたまま、香川と日本代表はアジアカップ本番を迎える。
取材・文:田嶋康輔
それでも、ナンバー10は本領を発揮できなかった。「プレスがうまくハマるようになり、ボールをつなぐ時間帯も少し増えた」(香川)日本は、試合の流れを引き寄せることには成功したが、香川自身は本来のプレーを見せられなかった。
香川が苦戦を強いられたのは、ひとつはオーストラリアが中央部の守備を固めていたからだ。とりわけ大きかったのが、プレミアリーグで活躍中のジェディナク(クリスタル・パレス)が、バイタルエリア周辺の警戒を怠らず、最終ラインの防波堤として機能していたことだ。
「相手の15番(ジェディナク)がすごくいいディフェンスをしてきて、自分としてはボールを受けるタイミングがつかみにくかった。だから、それよりも簡単にプレーすることを意識した」
と振り返った香川は、マークの薄いサイドにいる本田や乾(武藤と交代)へシンプルにはたいたり、自らがおとりになったりすることで、攻撃を活性化しようとした。
しかしながら、肝心のリターンパスもクロスボールもいい形で香川に入ってこなかった。シュートは、今野のドリブル突破からつかんだ50分の1本のみ。
「前線のどこでボールが欲しいのか、どうやってコンビネーションをしたいのかなど、もっと連係を高めていく必要がある。集まる機会がなかなかないので、それが代表の難しさでもあるけど、そこの質はもっと上げていかないと」
「しっかりと結果を残せるよう、(アジアカップまでの)残りの1か月、頑張ります」
香川はそう言葉を結んだ。
チームの中でどう活きるか、チームとしてどう活かすか――。命題を抱えたまま、香川と日本代表はアジアカップ本番を迎える。
取材・文:田嶋康輔