アジアカップ2015

香川真司 どう活きるか、どう活かすか――命題を抱えたまま、アジアカップへ

カテゴリ:日本代表

田嶋コウスケ

2014年11月19日

「前線のどこでボールが欲しいのか――」

香川をどう活かすか、アギーレ監督にとっても課題だ。 (C) SOCCER DIGEST

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 ところが、オーストラリア戦はチーム全体の攻撃がなかなか形にならなかった。アンカー長谷部の両脇を相手にうまく使われ、日本はズルズル後退。プレスをうまくかけられなかったことで、アギーレ監督は遠藤をボランチに下げる4-2-3-1へのシステム変更を決断し、香川はトップ下に移った。
 
 それでも、ナンバー10は本領を発揮できなかった。「プレスがうまくハマるようになり、ボールをつなぐ時間帯も少し増えた」(香川)日本は、試合の流れを引き寄せることには成功したが、香川自身は本来のプレーを見せられなかった。
 
 香川が苦戦を強いられたのは、ひとつはオーストラリアが中央部の守備を固めていたからだ。とりわけ大きかったのが、プレミアリーグで活躍中のジェディナク(クリスタル・パレス)が、バイタルエリア周辺の警戒を怠らず、最終ラインの防波堤として機能していたことだ。
 
「相手の15番(ジェディナク)がすごくいいディフェンスをしてきて、自分としてはボールを受けるタイミングがつかみにくかった。だから、それよりも簡単にプレーすることを意識した」
 と振り返った香川は、マークの薄いサイドにいる本田や乾(武藤と交代)へシンプルにはたいたり、自らがおとりになったりすることで、攻撃を活性化しようとした。
 
 しかしながら、肝心のリターンパスもクロスボールもいい形で香川に入ってこなかった。シュートは、今野のドリブル突破からつかんだ50分の1本のみ。
「前線のどこでボールが欲しいのか、どうやってコンビネーションをしたいのかなど、もっと連係を高めていく必要がある。集まる機会がなかなかないので、それが代表の難しさでもあるけど、そこの質はもっと上げていかないと」
 
「しっかりと結果を残せるよう、(アジアカップまでの)残りの1か月、頑張ります」
 香川はそう言葉を結んだ。
 
 チームの中でどう活きるか、チームとしてどう活かすか――。命題を抱えたまま、香川と日本代表はアジアカップ本番を迎える。
 
取材・文:田嶋康輔
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