3試合でわずか勝点1…よもやの失速を見せる王者・川崎に何が起こっているのか

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2019年08月11日

首位のFC東京との勝点差は9。ただ諦める状況ではない

ピッチ脇で話し込む中村(写真左)と鬼木監督。ここからチームの状況を変えられるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 前述の広島戦は20節の大分戦(7月27日)から中3日、続く松本戦も中3日、その後の名古屋戦は中5日と、連戦による疲労もあったのだろう。鬼木監督はターンオーバーを活用しながら、やりくりをしてきたが、結果的に良いローテーションとはならなかった。
 
 選手たちが口々に「甘さが出てしまった」と語った広島戦は3失点し、松本戦は無失点も、名古屋戦で再び3失点。鬼木監督のもとで強化してきた守備に綻びが出ているのは大きな不安材料で、自慢の攻撃陣も3試合で2ゴールと、元気がない。リーグ連覇を果たしたここ2年は夏場に調子を上げて多くの勝点を重ねたが、その方程式も崩れようとしている。
 
 広島戦と名古屋戦はセットプレーの流れから早い時間に失点をしており、修正は必要だろう。ただ「集中しなくてはいけないですが、やられる時はやられてしまうこともある」(中村)と、もしセットプレーで先手を取られても、良い意味での割り切り、次の得点を相手に与えないことを徹底する意識も重要だろう。試合早々に点を失い、焦りが見えてしまう今の状況こそ、改善すべきポイントに映る。
 
 もっともFC東京との勝点差は9で、次戦のアウェーでの仙台戦(8月17日)は、名古屋戦でイエローカードを2枚受けて退場となった谷口彰悟、累積警告が溜まったジェジエウの両CBを欠くゲームになるとはいえ(8月14日には天皇杯の岡山戦も控える)、リーグ3連覇を諦めるような状況ではない。「次が重要になる」と話を振れば、中村もこう熱く答える。
 
「自分たちがファイティングポーズを取れるかどうか。こういうゲームの後は下を向きがちになってしまうと思うが、それでもやっていかないといけない。ここが本当に踏ん張りどころ。この3試合は反省することだらけだが、逆に突きつけられたことを、どれだけ修正できるかは自分たち次第。負けてうな垂れて、このままいくのか。もう一回やろうってなるのか。
 
 優勝は諦めてないです。今日は残念ですが、試合はすぐきます。ここで下を向いて負け続けるのは簡単。でも絶対にそういうチームではないと自分は思っていますし、オニさん(鬼木達監督)もそういう人ではない。自分たちでやるべきことをやる。いつも以上にコミュニケーションを取って準備をしていきたいです」
 
 リーグ連覇中の王者が迎えた最大の苦境。ただここを乗り越えれば、さらにチームとして強さを身に付けられることは間違いない。この2年で培ったチーム力、リバウントメンタリティを是非とも見せてもらいたい。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェストの編集部)
 
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