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【現地発】ユベントス加入の19歳デリフト、「象のように鈍足だった」男がいかにして一流DFに上り詰めたのか

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年07月25日

両親に「免許なんて取っている暇はない」

昨シーズンはアヤックスで腕章を巻いたデリフト。ピッチ上の佇まいは19歳のそれとは思えない。(C)Getty Images

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 他のチームメイト3人と一緒に、週2回、ポジショニングを中心に直接指導に当たったのは、現役時代にアヤックスやオランダ代表でMFとして活躍した前述のヨンクだ。この時もデリフトは長足の進歩を見せたのだが、周囲の人間を驚かせたのが、精神面の成熟とコツコツと努力する姿勢だった。ヨンキントはこう回顧する。

「デリフトはメッシのように特別な素質を持っているわけではない。でも繰り返し繰り返し練習を続けた。そんな彼の上達を支えたのが、頭の回転の良さだ。だからこそ一つひとつの練習に長い時間でも黙々と集中することができるし、彼のプレーにはミスが少ないんだ」

 並行して様々な外部スタッフの指導を受けながら、デリフトは技術面や戦術面で磨きをかけていった。さらには自宅に戻っても筋トレで汗を流したり、庭にあるゴールネットを使ってボールを蹴ったり、近くの公園の長い階段で上り下りをしたりと、常に身体を動かし続けた。
 
 そんなデリフトには、大物ぶりを示す逸話も事欠かない。両親からの車の免許を取ったらどうだと勧められた時には、「スケジュールが合わない。そんなことに時間を使っていたら、一流のディフェンダーになれない」と言って取り合わなかったという。

 さらにはクライフとともに不動のCBとしてアヤックスの70年代初頭(70-71シーズン~72-73シーズン)のチャンピオンズ・カップ(チャンピオンズ・リーグの前身)3連覇に貢献し、外部スタッフとしてデリフトの指導にも当たったバリー・フルスホフから、66年から74年まで続いたアヤックスの黄金時代を綴った本をプレゼントされた時には、「もう全部頭の中に入っている」と答え、レジェンドを驚かせたこともあった。

 言うまでもなくユベントスはヨーロッパを代表する強豪クラブだ。これまで以上に過酷なポジション争いが待ち受けているだろう。しかしデリフトは持ち前のクレバーさとハードワークで、これからも様々な試練を乗り越えていくはずだ。

文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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