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【考察】デリフトはなぜユベントスを選んだ? バルサの「ステータス」、パリSGの「カネ」を蹴って…

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2019年07月23日

19歳のDFが成長するうえでイタリア以上の場所はない。

デリフトを担当するライオラ代理人は、以前からユベントスとの繋がりが深く、この点も今回のディールに大きな影響をもたらした。(C)Getty Images

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 もうひとつの有力な候補だったパリSGは、金銭面ではベストの選択肢だろう。実際、6月上旬の時点でライオラは、アンテロ・エンリケSDとの間で実質的な合意に達していたという。

 ところがパリSGは6月半ばにエンリケを解任し、後任SDにミランからレオナルドを迎える。これによって両者の協定は一旦白紙に戻ってしまった。レオナルドがエンリケほど獲得に積極的でないのを見て取ったライオラは、ユーベとも本格的に交渉を開始した。

 実際、「19歳のDFが成長できる場所はどこか?」と考えた時、セリエAのトップクラブはおそらく最も理想的な舞台だ。ことディフェンス戦術の緻密さ、個人技術と個人戦術を身に付ける環境としては、守備カルチャーが根付いているイタリアに勝る場所はない。

 しかもユーベには、カルチョ伝統のDF文化を体現する最後の存在とも言えるジョルジョ・キエッリーニがいる。このレジェンドから学びながら、後継者になるというシナリオは、若いCBにとって最高だろう。

 また新監督のマウリツィオ・サッリは、ボールと味方の位置に基準点を置く純粋なゾーンディフェンスを徹底的な反復トレーニングでチームに仕込むタイプ。戦術的インテリジェンスに磨きを掛けられる。実際、デリフトは入団会見でこう語った。

「僕はまだ19歳。もっと成長したいと思っている。守備の伝統がある国だから、イタリアに来たかったんだ。オランダでは後方からのビルドアップが多く、高い位置でディフェンスをするのに対して、イタリアはよりゾーンでマーキングして全員で守る。ユーベは僕の成長の助けになってくれるはずさ。偉大なチャンピオンであるキエッリーニ、ブッフォン、ロナウドなど多くの選手から学びたい」

 さらにユーベならば、数年間のキャリアを積んでDFとして完成形に近づいた時点で、さらなるステップアップの可能性も残る。クライアントを移籍させて利益を得る立場にあるライオラにとっては、現時点でバルサのようなスーパーメガクラブに定着させるより、もう一度ビッグディールを作り出す可能性があるという点において、メガクラブの中でも第2グループに属するユーベを“踊り場”にするメリットは大きい。
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