「どんどん年齢を重ねていくうちに……。明らかに成長スピードが違いすぎる」
だが安部は現実を受け止めつつ、前を向く。「身の丈を気にするようなら、そもそも僕は高卒で鹿島を選んでいない。3年生になってやっと試合に出られたような選手でしたから。いろんな有望な若手選手がバルサのBに今年も来るみたいです。でもどう考えてもいい環境じゃないですか。トップチームと一緒に練習することがありますし。同じ環境で同じ時間に同じところにいられることがとても大事だと考えている」
来週中にも渡欧する見込み。8月下旬開幕予定のリーグ戦へ向けた準備を進めていく。「アンダー世代の代表で海外の国と戦っている時はあんまり差を感じない。身体のサイズは全然違いますけど。絶対勝てないと思った試合は1試合もない。日本の若い選手がどれだけの能力を持っていて、どれだけ有望なのかというのは、誰もが分かることだと思う。でもフル代表になった時、どんどん年齢を重ねていくうちに……。明らかに成長スピードが違いすぎると思うんです。これはずっと分かっていて。だから僕は成長したいなら行くべきだと考えています」
ただひたすらに成長だけを追い求め、安部はバルセロナから世界への扉を開く。
取材・文●岡島智哉