「後任が見つかるまでの監督代行」だったはずのスカローニが…
そうした様々な問題が起きたブラジル戦の後、スカローニ監督は自身の去就について、「今はそれを考える時ではない」と語っていたが、3位決定戦の前日会見で、今年の12月30日まで監督を続けることが決まったと明らかにした。もちろん、ワルテル・サムエル、ロベルト・アジャラら代表OBで、コーチングスタッフを務めている“仲間”たちも一緒だ。
国内メディアの報道によると、スカローニは年内に予定されている6つの親善試合で指揮を執り、その結果からAFAが改めて「審査」するという。その結果、仮に「不合格」だった場合は2022年のW杯予選開幕を3か月後に控えた時点で新監督を迎えることになると報じている。
一方、スカローニの続投が決まった場合、公式戦の采配経験は今回のコパ・アメリカだけという未熟な監督が、W杯出場までの過酷な道を導くことになる。
来たる南米予選は、初出場を目標に掲げて4年前から本格的な強化に取り組んでいるベネズエラをはじめ、チリやパラグアイ、エクアドルといったロシア大会の出場権を逃した国々が上位進出を狙い、今まで以上に厳しい争いになると予想されている。審査がいかなる結論に至ろうともリスクが高いと言わざるを得ない。
すでに国内のメディアの間では、次期監督候補として、マルセロ・ガジャルド(現リーベル・プレート)やガブリエル・エインセ(べレス・サルスフィエルド)の名前が挙げられているが、それも現時点ではただの噂に留まっている。そもそも、ガジャルドもエインセも今のAFA幹部とは全く異なるポリシーを持っているため、現状のままではオファーを受けても承諾することはないという見立てだ。
国内メディアの報道によると、スカローニは年内に予定されている6つの親善試合で指揮を執り、その結果からAFAが改めて「審査」するという。その結果、仮に「不合格」だった場合は2022年のW杯予選開幕を3か月後に控えた時点で新監督を迎えることになると報じている。
一方、スカローニの続投が決まった場合、公式戦の采配経験は今回のコパ・アメリカだけという未熟な監督が、W杯出場までの過酷な道を導くことになる。
来たる南米予選は、初出場を目標に掲げて4年前から本格的な強化に取り組んでいるベネズエラをはじめ、チリやパラグアイ、エクアドルといったロシア大会の出場権を逃した国々が上位進出を狙い、今まで以上に厳しい争いになると予想されている。審査がいかなる結論に至ろうともリスクが高いと言わざるを得ない。
すでに国内のメディアの間では、次期監督候補として、マルセロ・ガジャルド(現リーベル・プレート)やガブリエル・エインセ(べレス・サルスフィエルド)の名前が挙げられているが、それも現時点ではただの噂に留まっている。そもそも、ガジャルドもエインセも今のAFA幹部とは全く異なるポリシーを持っているため、現状のままではオファーを受けても承諾することはないという見立てだ。
他に策がない以上、「後任が見つかるまでの監督代行」だったはずのスカローニが続けるしかない。当然、不安は残るが、コパ・アメリカで高い評価を受けたファン・フォイやロドリゴ・デ・パウル、ラウタロ・マルティネスら若手を継続的に起用する方針で基盤作りを進めるスカローニのプロセスは、少なくとも過去4年間に代表を任されたベテラン監督たちができなかった試みでもある。
さらに大黒柱のメッシも12月までの続投には賛成の意思を表明しており、これ以上の後ろ盾はない。
兎にも角にも、93年のコパ・アメリカ制覇以来タイトルから遠ざかっているアルゼンチン代表の未来は、まだ15試合(うち公式戦はコパ・アメリカでの6試合)しか指揮していない監督に託されることとなった。
この「前代未聞のプロジェクト」の行く末にどのような結果が待ち受けているのかは、現時点では誰にもわからない。
文●チヅル・デ・ガルシア
text by Chizuru de GARCIA