前述の通り、68年にユース代表に招集されると、U-23代表を経て71年6月22日の親善試合ノルウェー戦でA代表デビュー。バイエルン勢を重用するシェーン監督によって、すぐに19歳のブライトナーはレギュラーとなり、代表3試合目となったハンガリー戦で初得点も記録する。
翌72年に決勝大会が行なわれた欧州選手権で、初のメジャーイベント出場。強敵のソ連相手に3-0の完勝を収めた伝説の決勝戦を含め、5試合に出場した彼は、不可欠な存在として、自国開催の74年ワールドカップに向けキャップ数を伸ばしていった。
そして迎えた本大会。西ドイツはグループリーグ初戦でチリと対戦したが、決勝点となる虎の子の1点を挙げたのは、ブライトナーだった。18分、オーバーラップしてフランツ・ベッケンバウアーのパスを受けると、30メートルの位置から躊躇なく右足を振り抜き、ゴール左隅にシュートを突き刺した。
いきなりチームを勝利に導くゴールを挙げた22歳のフルバック(SB)は、2次リーグの初戦のユーゴスラビア戦でも重要な先制点をもたらす。チリ戦同様の右足での見事なミドルシュートだった。
すでに十分な存在感を示したブライトナーの名を、さらに世界に知らしめたのは決勝戦だ。この大会で旋風を巻き起こしたヨハン・クライフ率いるオランダとの決戦、開始2分で先制を許した西ドイツは、25分にベルント・ヘルツェンバインがペナルティーエリア内で倒されてPKを得る。
決めれば同点だが、外せばさらにオランダを勢いづけてしまいかねないというプレッシャーのかかる11メートルの対決。それまで、PKは点取り屋のゲルト・ミュラーが蹴ることになっていたはずだが、ここでブライトナーがペナルティースポットに立つと、冷静に、そして実にあっさりと相手GKの逆を突いてゴールに流し込んだのだ。
この時のことを「一番ボールに近くにいたのが自分だったから」「特に何も感じなかった。このPK戦の重要性を感じたのは試合が終わってからだった」とブライトナーは振り返っているが、彼のおかげで試合を振り出しに戻した西ドイツは、前半のうちに逆転に成功し、リードを守り切って、開催国としての責務を果たしたのだった。
初の大舞台で世界王者の一員となったブライトナーは、2年間は代表チームから離れることをシェーン監督に申し入れたが、実際は75年の4月と10月に欧州選手権の予選リーグに2試合出場している。そして間もなく、指揮官との間に確執が生じ、代表キャリアに長き空白期間が生まれることになった。
冷静で頭の切れるブライトナーは、一方でストレートな物言いをする人間としても知られており、マドリーに移籍した74年には、バイエルン、西ドイツ代表でのチームメイトであり、偉大な先輩でもあるベッケンバウアーを、「独裁者」と痛烈に批判したこともある。
彼が再び代表ユニホームを身に纏うことになったのは、81年4月。シェーン監督の後任であるユップ・デアバルは、中盤にベルント・シュスターという若き司令塔を擁していたものの、当時キャリアの絶頂期を迎えていたブライトナーを迎え入れて中盤の強化を図った。
もっとも、気が強く歯に衣着せぬ物言いをするシュスターとは、やはり激しく対立。後に両者は歩み寄りを見せたものの、怪我の回復具合が思わしくなかったシュスターが代表を辞退したことで、82年スペインW杯で西ドイツは、ブライトナーに中盤のコントロールを託すこととなった。
しかし、チームとしてコンディション調整に失敗し、さらにパートナーのルムメニゲが負傷を引きずった状態のため、ブライトナー自身も精彩を欠いたが、準決勝フランス戦では先制点に繋がる正確なスルーパスを通し、W杯史上初のPK戦で緊張感がスタジアムを包む中でも、落ち着いていとも簡単に決めてみせた。
イタリアとの決勝戦では、3点を先取されて自身2度目の世界制覇の夢は潰えたが、終盤に一矢を報いるゴールを決めている。これで、ババ、ペレ(いずれもブラジル代表)に次ぐ、2つの異なるW杯決勝で得点した選手となった(その後、ジネディーヌ・ジダンが2006年ドイツ大会で達成)。
この大会を最後に、ブライトナーは48試合出場10得点という記録を残し、代表を引退。翌83年には現役も退き、以後はコメンテーターやバイエルンのフロントとして、精力的に活動してきた。
昨年11月、かつて一緒にバイエルンに入団し、代表でも共闘してきた盟友ウリ・ヘーネス(現バイエルン会長)、相棒だったルムメニゲ(現社長)との対立が表面化。これで古巣とは距離を置く状態になってしまっているが、ブライトナーが偉大なレジェンドであり、今なおファンの尊敬を集める存在であることに変わりはない。
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