【証言構成】現役日本代表が語る「久保評」

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2019年06月29日

昌子の目に久保はどう映っているのか

エルサルバドル戦では見事なふたり抜き。久保は堂々とプレーしていた。写真:Getty Images

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 FC東京の試合ではセンターサークル付近からドリブルで仕掛ける場面が多かったが、久保は決してドリブラーではない。「ドリブルよりパスのほうが早いので」というサッカーの本質を突く本人のコメントからも分かるように、局面に応じてドリブルとパスを使い分けているのだ。
 
 エルサルバドル戦で見逃せなかったのは、73分のシーン。左サイドでふたり抜きをする前の、ドリブルでのボールの持ち方がなにより素晴らしかった。
 
 相手ふたりが寄せてきそうなタイミングで、久保は左足のアウトサイドでボールをこすりながら「パスも出せますよ」というスタンスでプレーしていた。当然ながら、パスも警戒する相手ふたりは中途半端なポジショニングとなり、結果、久保はふたりの間をドリブルで抜けて行った。
 
 この「パスも出せます」という意識を相手に刷り込ませたからこそのふたり抜きであって、そこに久保のインテリジェンスの高さが窺えた。中島翔哉との華麗なワンツーを決めたこともあり、エルサルバドル戦での活躍を「上々のA代表デビュー」と謳うメディアもあったが、その試合にCBとしてスタメン出場した昌子源の目には、久保が不完全燃焼のように映った。
 
「持っているクオリティを考えれば、おそらく満足していない。ここ1週間、あいつ(久保)のプレーや練習を見ていても(感じるが)、たぶん、もっとできたと思っているはず」
 
 いずれにしても、昌子も久保の才能は認めている。仮に久保と対峙した時、昌子はどう止めるのだろうか。そう質問したわけではないが、今回の代表活動を通して久保に以下のような印象を抱いている。
 
「建英がサイドにいるか、真ん中にいるかで、(対応は)まったく変わってくる。サイドにいれば、サイドバックに『抜かれてもいいから潰せ‼』と指示する。なぜなら、サイドバックが抜かれても、俺らセンターバックがいるから。でも、ずっとセンターバックのところ(真ん中)にいられて、あんな(ボールの)持ち方をされたら、俺らセンターバックは一発で行けない」

  あんな持ち方とは? 昌子は次のように説明する。
 
「抜いてシュートを打つわけではない。かわして打ってくる。自分のところに注目を集めておいて、ラストパスも出せる。ペナルティエリア内や近くにいられると、本当に困る。持ち方を含め、“なんでもできますよ”と言っているようなもんやし」
 
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