「成功しても自惚れない」南米で期待される38歳の青年監督が抱く信念――セバスティアン・ベカセッセ【独占インタビュー|後編】

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2019年06月09日

チリ代表での「創造性に溢れる日々」

コーチと監督という立場ではあったものの、ベカセッセはサンパオリ(左)と互いをリスペクトしあえる関係性を築いている。 (C) REUTERS/AFLO

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――そして、2013年にチリ代表を指導するチャンスがやって来ます。

B:ピント・ドゥラン(チリ代表専用施設)で、過ごしたあの日々は、いま思い出しても心が満たされるような気分になりますね。ホルヘと私は、スポルト・ボーイズでの指導を始めてからチリ代表に来るまでの9年間、1週間に2試合というペースで勝つための対策を練り、ノンストップで仕事をしていましたから。

 一方、代表チームの試合は2~3か月に1~2試合というペースなので、我々は、合間の時間を利用して、過去数年間に渡る世界のサッカーの動きをじっくりと研究しました。例えば、2009年のバルセロナの全試合を観て、スタッフ全員で話し合い、議論しながら、それまで実践して来た攻撃的サッカーにパスワークを加え、プレーにボリュームを持たせる策を考案しました。

 それは、創造性に溢れる日々で、とても充実していましたよ。ラ・ウーで我々のメソッドを熟知していた9人を代表に招集したことで、幅広いスペースを利用した新しい戦術スタイルの開発もとてもスムーズに進みました。
 
――さらに結果も伴いましたね。

B:2014年のワールドカップでは、決勝トーナメント1回戦で、ブラジルと互角に戦った末にPK戦で敗れましたが、選手たちは、開催国を追い込み、堂々たるプレーを見せてくれました。あのチーム相応しい結果が、翌年のコパ・アメリカ優勝だったと思います。

――その後、サンパオリがセビージャに就任すると同時にあなたは独立して、ラ・ウーに監督として復帰したわけですが、約9か月で解任されてしまいました。

B:プロチームの監督として初めての仕事は全てがうまく行かず、残念な結果に終わったんです。でも、そのまま落ち込んでいるわけには行きませんでした。解雇されたあと、どこがいけなかったのか、何が原因だったのかをよく考えましたよ。

 そして、大学時代の同級生だった妻からも励まされ、また、「どこかのクラブで監督をやりたい」という気持ちが高まっていた時、デフェンサから声をかけられたので、オファーを受けることにしたんです。

 当時のデフェンサは降格の危機に瀕していて、ネガティブな空気に包まれていました。そこで私が選手たちに、失敗を恐れず、1試合ごとに勝利を信じてプレーすることを言い聞かせたところ、2試合目から自分たちが練習で実践しているスタイルで勝てるという確信が生まれ、そこからメンタル面で一気に強くなっていきました。

 今まで指導したチームでも、必ずと言っていいほど分岐点となる試合があったのですが、デフェンサの場合も全く同じでした。その結果、1部に残留できたうえ、クラブ史上初めてとなる国際大会(コパ・スダメリカーナ)への出場権を得ることもできました。そして、このチームでもっといろんな可能性に挑戦したいと思っていた時にホルヘがアルゼンチン代表監督になったんです。

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