【現地発】批判、嫉妬、威嚇、除け者、孤独…アルゼンチン代表はメッシに苦難しか与えない

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2019年03月25日

英雄マラドーナからは重箱の隅をつつくように…。

ロシアW杯以来9か月ぶりに代表にユニホームに身を包んだメッシ。だが、チームを勝利に導くことはできなかった。(C) Getty Images

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 アルゼンチン代表は、リオネル・メッシの復帰戦となった3月22日のベネズエラ戦に1-3の完敗を喫した。

 試合後、1978年の自国開催のワールドカップでキャプテンとしてアルゼンチンを初優勝に導いたレジェンド、ダニエル・パサレラは「メッシはバルセロナとアルゼンチン代表とでは戦う姿勢が異なる」と一刀両断した。

 アルゼンチンは93年のコパ・アメリカ以来、かれこれ25年以上もタイトルから遠ざかっている。国民の不満は蓄積する一方で、その格好のターゲットとして槍玉に上げられているのが今も昔もメッシなのだ。

 この背番号10にとって、代表は苦難の場所だ。デビュー当時は、百戦錬磨の猛者たちがチームの主力を担っていた。練習中にはシャイで恥ずかしがり屋の10代のルーキーを威嚇するようなファウルを仕掛け、その激しさは当時監督を務めていたホセ・ペケルマンが「事前に注意すべきだった」と友人に打ち明けたほどだった。
 
 先発出場が1試合にとどまり、チームがベスト8で敗退した2006年のドイツW杯を経て参加した、翌年のコパ・アメリカでも状況は変わらず、先輩たちがマテ茶を飲みながら団らんするなか、ひとり部屋にこもってボールを壁に向けて蹴っていたという。

 そして08年10月、ディエゴ・マラドーナが代表監督に就任する。言わずと知れたアルゼンチンのレジェンドは、自らの威厳を誇示すべくただひたすらメッシを若造扱いし、わざとテレビカメラの前で重箱の隅をつつくようにミスを指摘した。見え隠れしていたのは天才的なプレーを連発する新たな英雄に対する嫉妬だった。

 そのマラドーナの下で臨んだ10年の南アフリカW杯でメッシは、再びベスト8で涙を呑む。さらに次のブラジルW杯の予選中には、試合前の国歌斉唱の際の歌い方に熱がこもっていないとあらぬ批判を受けたりもした。

 もうこの頃にはエベル・バネガ、フェルナンド・ガゴ、ハビエル・マスチェラーノ、アンヘル・ディ・マリア、セルヒオ・アグエロら同世代の選手に囲まれ、メッシは完全にチームの中心になっていた。

 しかしその実態は、偉大になりすぎたエースに気を使い、周囲は腫物に触るように接するばかりだった。ある関係者によると練習中の雰囲気も「静寂に包まれていた。会話がまったくない。若手選手はビビっていた」という状態だったという。
 
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