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長友と酒井が「スコアラーWB」になれるか。3-4-2-1採用時の日本代表が得点力を上げる鍵は?

カテゴリ:日本代表

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年06月07日

欧州トップレベルでも3バック採用のチームは…。

マッザーリ時代の長友は、「スコアラーWB」として活躍している。写真:Getty Images

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 この課題を解決する最大のソリューションは、前線3人の連携を深めることはもちろん、WBが敵陣ゴール前に「詰める」こと。欧州のトップレベルでも3-4-3や3-5-2を基本システムとするチームは、フィニッシュの数的リソースを確保するためにこのメカニズムが徹底されており、実際にWBが重要なスコアラーとなっている。
 
 閉幕したばかりの18-19シーズンでは、アタランタが格好の見本だろう。トランジション志向の強い攻撃サッカーでセリエAで3位に入り、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ出場権を獲得したチームでは、右のハンス・ハテブールが5ゴール・5アシスト、左のロビン・ゴセンスが3ゴール・2アシスト、左右兼用のティモシー・カスターニュが4ゴール・3アシストを記録するなど、積極的にゴール前に詰めるWB陣が大きな鍵となっていた。
 
 それこそ長友も、インテル時代に「スコアラーWB」として活躍した実績を持っている。3バック信奉者であるワルテル・マッザーリ(現トリノ監督)が率いた13-14シーズンは、左WBを務めて5ゴール・7アシスト。右サイドからのクロスに長友がファーサイドか中央に詰め、そのままシュートを狙うか折り返す形は、当時のインテルの重要な攻撃パターンだったのだ。
 
 森保ジャパンが3-4-2-1を採用したのはトリニダード・トバゴ戦が初めてで、やはりポジショニングやコンビネーションの点で戸惑いが見え隠れたし、チーム全体が手探りのためやや慎重になっていた部分もあった。長友と酒井がなかなかフィニッシュに絡めなかったのは、情状酌量の余地が多分にある。
 
 ただ、この2人代わってWBで途中出場した原口元気と室屋成は、より1点が求められた状況だったこともあり、何度かゴール前に顔を出して攻撃を活性化。長友と酒井にも同様のパフォーマンスが求められるところだろう。3バック採用時に得点力を担保するにはWBのフィニッシュ参加が不可欠なのは間違いなく、試合後に酒井が「できれば僕と(長友)佑都くんが攻撃的にいきたいのは間違いない」と語ったとおり、本人たちもそれを重々承知しているはずだ。
 
 森保監督は「現時点で4-4-2がベース」と語るが、カタール・ワールドカップ予選に向けて戦術オプションが欲しいのも事実。6月9日のエルサルバドル戦でも、再び3-4-2-1を採用してくる可能性は大いにある。その時は長友と酒井の「ゴール前に詰める動き」に注目したい。
 
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取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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