タレント軍団ゆえの苦悩…ヴィッセル神戸が抱える”欠陥”とは

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2019年04月23日

「味方を助ける気持ちがあれば、自然とカバーにいくと思う」(山口)

ポドルスキはキャプテンを退任。その理由のひとつが信頼感の欠如だった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 特に顕著だったのが7節の広島戦だった。前半を2-1で折り返し勝利の機運が高まっていたものの、65分からわずか8分間で3点を奪われて逆転負け。とりわけ目についたのが緩慢なマークだった。DF間での受け渡しが曖昧で、度々相手FWをポッカリとフリーにした。クロスから渡大生にボレーシュート2発を食らったのは必然だっただろう。

 山口が広島戦後に語っていたコメントが、チームの惨状を表わしている。

「7試合を終えて、チームで守れている感覚は今のところはない。仲間を助ける意識をもう少し持ってやらないといけない。任せきりなところがすごく多いので、そこを、ここから先見つめ直していかないと、どの試合も失点を重ねるだけだと思う」

 毎年のように次々と選手を入れ替えてしまえば、チームワークを構築するのも困難ではある。特に外国人選手が多いチームであれば、なおさらだ。ただし、山口は決してコミュニケーションが問題ではないという。

「最悪コミュニケーションがなくても、味方を助ける気持ちがあれば、自然とカバーにいくと思う。ひとりで守ることはできないのだから、その意識を高めていかないと。“自分だけでも”になってしまうと、やはり失点した時に人のせいにしてしまう。失点した時は必ず全員がかかわっているわけで、それをもう少しみんな頭に入れてやらないといけない」

 組織的に守れていないのは、チーム戦術うんぬんではなく、そもそもチームメイトをサポートする意識が希薄だからなのだ。山口だけではなく、他の選手のコメントからも、それは分かる。

「自分のマークを捨ててでもサポートにいけるかとか。自分のマークにやられなければいいという感覚は捨てて、カバーする意識を持つべきだと思う。それはディフェンス陣だけじゃなくてチームとして。自分もそうですけど、お互いがお互いをもう少しカバーし、サポートし合えれば、もっと良くなるんじゃないかなと思います」(大﨑玲央)

「ちょっとしたミスだったり、ちょっとしたズレだったりが、僕たちのサッカーでは致命傷になってしまう。そういうところをもっと突き詰めていかなきゃいけない。守備陣だけの責任じゃない。11人全員がつながって初めてサッカーなので、僕たち攻撃陣ももっと何かできたはずだし、全員がつながってできたらなと思います」(古橋亨吾)
【関連記事】
【セルジオ越後】絶えないJの誤審… 審判にもっと「高い給料」と「厳しい処分」を設定しては?
【J1採点&寸評】浦和1-0神戸|浦和守備陣が好パフォーマンス。3連敗の神戸では3人が健闘
「ちゃんと渡すんだ!」ポドルスキが埼スタでボールボーイに暴言!? 欧州メディアが報じる
「バルサに戻りたい」イニエスタが現地メディアに語った古巣への想い
ロッベン獲得にFC東京がオファー!? イタリアの移籍専門メディアが報道!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年1月号
    12月12日(金)発売
    [特集]
    9年ぶりのJリーグ制覇
    鹿島アントラーズ
    鬼木体制で果たした「王座への帰還」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年12月18日号
    12月4日(木)発売
    [特集]
    25-26 欧州リーグ前半戦レビュー
    冬の通信簿
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 選手名鑑
    12月10日発売
    高校サッカーダイジェストVol.43
    第104回全国高校サッカー選手権大会
    選手権名鑑
    出場48チーム
    1440選手の顔写真&プロフィールを徹底網羅!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ