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衝撃のハットトリック――。尚志のプロ注目FW、染野唯月がプレミアリーグ開幕戦で示した成長の跡

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2019年04月06日

進化の象徴は2点目のヘディング弾にあり

この日も複数のスカウトが来場。注目FWのプレーに目を光らせていた。写真:滝川敏之

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 だが、そうしたプレッシャーを感じながらも、本人は自らの出来を冷静に分析。3月下旬のJ-ヴィレッジカップでは、「味方を使いながらゴール前に入っていくのが自分の良さ。(先輩たちが抜けて良さを出す場面が)少なくなってきた。逆にシュートチャンスも少なくなってくるので、決め切ることも今後の課題になる」と話していた。
 
 そういう意味でこの日は春先の染野と一線を画す出来だ。とりわけ、2点目は本来の良さが発揮されたゴールだった。味方に預けて、ペナルティエリア内に走り込む。最後は頭で合わせ、ネットを揺らした。

 失いかけていた自身の特徴。「パスをした後、ヘディングシュートを打てるか。そこは課題を克服できたと思う」と、本人もフィニッシュまでの過程に胸を張った。
 
 得点への欲も、この日はまるで別人。2点目を奪う直前の75分には相手の背後に抜け出し、ヘディングシュート。先に触れるかどうかの瀬戸際だったが、相手GKとぶつかりながらも得点を狙ってストライカーとしての矜持を示した。

「(同じような形から負傷した)プレミアリーグ参入戦のこともあったので、飛び込みづらいところもあった。でも、自分が勝利に貢献できると思ったので」と言ってのけたように、恐れずゴールへと向かっていく。そうした姿勢も点取り屋の本能に、磨きが掛かったといえるポイントだ。
 
 プロ入りを明確な目標に掲げ、迎えた高校ラストイヤー。代表の活動などでチームを離れる時間が多くなると感じ、キャプテンの座を自ら交代。新チーム始動後はピッチ内外も含め、必ずしも順風満帆とはいかなかった。

 それでも注目を集める開幕戦で、きっちりと結果を残したのは流石。普段から辛口の仲村浩二監督も「格の違いを見せた」と手放しで褒めちぎった。

 今後、染野がどのような成長を遂げていくのか。より一層楽しみになるオープニングマッチだったのは間違いない。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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