ジダンはこの状況を予期していた――。
ベイルの事件は、あくまで象徴に過ぎない。
そもそも、今シーズンの凶兆はジネディーヌ・ジダン監督の突然の辞任から始まった。ジダンは、こうなる未来が見えていたのだろう。マーケティング重視で必要な選手を獲得せず、大黒柱のクリスチアーノ・ロナウドを売却。勝てるはずもなかった。
そもそも、今シーズンの凶兆はジネディーヌ・ジダン監督の突然の辞任から始まった。ジダンは、こうなる未来が見えていたのだろう。マーケティング重視で必要な選手を獲得せず、大黒柱のクリスチアーノ・ロナウドを売却。勝てるはずもなかった。
「統制が効かない」
ジダンはフロントのマネジメントに対し、そう判断を下した。この分裂を引き起こしたのは、選手よりも、監督よりも、クラブそのものだった。端的に言えば、フロレンティーノ・ペレス会長になるか。
クラブが現場を無視したマネジメントをするとき――。たとえ欧州王者であっても、たちまち強さは失われる。他山の石とすべきである。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
ジダンはフロントのマネジメントに対し、そう判断を下した。この分裂を引き起こしたのは、選手よりも、監督よりも、クラブそのものだった。端的に言えば、フロレンティーノ・ペレス会長になるか。
クラブが現場を無視したマネジメントをするとき――。たとえ欧州王者であっても、たちまち強さは失われる。他山の石とすべきである。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。