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カテゴリ:日本代表

マイケル・プラストウ

2019年03月28日

乾はあらためて、重要な人材だと実証した

先発起用に奮起した乾。周りの選手の個性を引き出そうと、精力的に動き回った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表はずいぶんと逞しくなった。たしかにツボにはまれば強い。それを実現してきた中心メンバーがあれだけ不在となっては、なにを、誰を拠り所にして戦えばいいのか。これは親善試合でテストマッチなのだとしても、長期的な強化の視点で見れば、理に適ったものとは言えなかった。あれでは主力とサブメンバーのギャップは埋まらない。

 森保監督はまっさらなメンバー構成によって新たな刺激を、新たなコンビネーションを探りたかったのだろう。ピッチに立った選手たちは局面局面でアイデアを出し合いながら果敢に挑んでいたが、いかんせん、立ち返れるベースがない。バタバタしていた感は否めないし、互いに手探りでプレーしたように思う。上手くいかなかったのは当然のことと捉え、次に繋げてもらうしかない。

 ポジション別で見れば、キーパーのシュミット・ダニエルとセンターバックの畠中槙之輔、三浦弦太には可哀そうなくらい見せ場がなかった。ボリビア攻撃陣があの出来では致し方ない。そのなかでも畠中はカバーリングが安定していたし、上々のデビューを飾ったと評価していいだろうか。

 小林祐希と橋本拳人の2ボランチは、日本が圧倒的にボールを支配する展開において、的確にカウンターの芽を摘み取るなど守備面では見るべきものが少なくなかった。一方で攻撃面ではインパクトに欠けた。小林は積極的に前線と絡もうと奔走したものの、柴崎が繰り出すようなビッグパスがほぼ見られなかったのは残念だ。

 
 両サイドバックの安西幸輝と西大伍も、守備面での負荷が少なかったことを考えれば、もっと攻撃面での即興的かつ能動的なアクションが欲しかった。敵陣深くまで足は踏み入れるものの、チャンスに繋がるようなクロスボールやサイドチェンジのパスが乏しい。無論、周囲との噛み合わせの問題が大きかった。実際に西はアタッカー陣が様変わりした最後の30分間では、見違えるような動きで躍動したのだから。

 2列目から前の先発メンバーで、本領を発揮したのは乾貴士くらいだろう。宇佐美貴史は存在感を示すには至らず、香川真司はスペースがないなかで奮闘したものの、周囲との呼吸が合っていなかった。自然と乾にボールが集まって突破口を見い出そうとするのだが、最前線の鎌田大地は消える時間帯が多く、迷いながらプレーしている印象を受けた。彼をフォローアップすべき2列目が安定しないのだから、無理もない。乾はあらためて、重要なメンバーであることを実証した。
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