まったりした感じに喝を入れる選手がいなかった
3つ目は、現日本代表は中島翔哉のチームであるということがハッキリと見えたことだ。コロンビア戦でも別格な動きを見せていたが、ボリビア戦では停滞していたチームの流れを自分のプレーで一気に変え、決勝ゴールまで決めた。このくらいの相手であれば中島であれば十分にやれるので不思議ではないが、それにしてもしっかりと結果を出すところはすでにエースの風格十分だ。
森保監督がボリビア戦のスタメンたちの残した言葉を中島はそのまま具現化しており、監督の強い信頼感が感じられる。また、中島に自然とボールが集まるところからチームメイトが一目置いているのがよく分かる。代表チームには、監督が決めたキャプテンではなく、選手から認められている絶対的な選手がいる。かつて中田英寿、本田圭佑がそうだった。中島は王様タイプではないが、絶対的な選手になりつつあるのは間違いないし、それを証明した2試合だった。
森保監督がボリビア戦のスタメンたちの残した言葉を中島はそのまま具現化しており、監督の強い信頼感が感じられる。また、中島に自然とボールが集まるところからチームメイトが一目置いているのがよく分かる。代表チームには、監督が決めたキャプテンではなく、選手から認められている絶対的な選手がいる。かつて中田英寿、本田圭佑がそうだった。中島は王様タイプではないが、絶対的な選手になりつつあるのは間違いないし、それを証明した2試合だった。
4つ目は、キャプテン不在である。アジアカップでのキャプテンを務めていた吉田がいないので、当然と言えばそうなのだが、それにしてもボリビア戦の前半のまったりした感じに喝を入れる選手がいなかった。吉田がいればピリッしただろうが、今回の2試合ではそれを言える選手がいなかった。柴崎岳はコロンビア戦後に若手に苦言を呈していたが、年齢関係なく言えるようにならないと次代のキャプテンにはなれない。吉田以外にチームの雰囲気をピリッとさせることができるキャプテンらしい選手が出てくるかどうかは非常に重要。今回は怪我のために招集漏れしたが遠藤航には将来のキャプテン候補として、チームメイトに遠慮なくガンガン言える選手になってほしい。
今回、2試合のメンバー表を見てふと思ったのだが、レギュラー組の選手は3年後のカタールW杯は23歳から27歳の選手が中心になる。そこに東京五輪世代の選手も入ってくると、年齢分布的には2002年W杯日韓大会に近い編成になる気配だ。
チームは主力11人に試合に出る交代メンバー5、6人、残りは試合に出れない可能性が高い選手になる。トルシエは、そこに中山雅史と秋田豊を選んだ。
W杯メンバーの選考はまだ先だが、もしかするとそこに代表を引退した長谷部誠らを「まとめ役」として入れるチーム編成を考えているのではないか。現在はチーム作りの段階で自由な空気でやっているが本番は戦うムード作りが必要になる。今のチームには、そういうムード作りができる選手がいないし、そのムード作りは経験のある選手がうまい。
森保監督のチーム作りが見えてきた中で、チームをまとめるベテランの存在もすでに考えているように思える。
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)