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【英国人記者の目】昨夏までヨーロッパで忘れ去られていたJリーグ。追い風の今がチャンスだ!

カテゴリ:Jリーグ

スティーブ・マッケンジー

2019年03月29日

サポーターもレベルを上げなければならない

鳥栖にはF・トーレス、そして新戦力としてクエンカも加わり、こちらもスペイン色を強めている。 写真:徳原隆元

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 イングランドのプレミアリーグで1990年代に実際に起きたことだが、外国人プレーヤーが我らのリーグでプレーするようになってから、フットボールのスキル、テクニックなど、これまでになかった多くのことを学ぶ機会を得た。そして、視野が広がることで、プロ意識、プロの選手としてどうあるべきかという選手たちの意識も改善され、リーグのクオリティーは向上した。

 日本から欧州でプレーするためにJリーグを去ったプレーヤーは、異なった環境で異なる国籍の選手と共にプレーすることで恩恵を受け、それは代表チームの強化にも直結している。であれば、本来はJリーグでプレーする外国人プレーヤーにとって同じ原則であるべきなのだ。全く同じでなかったとしても、ゼロであってはならない。

 だからこそ、DAZNの導入と、ヴィッセル神戸の巨額投資はJリーグにとって願ってもないチャンスだ。外国の著名なプレーヤー、ポドルスキ、イニエスタ、トーレスに続いてビジャのような世界的なビッグネームが参入してきたことは、選手、そしてリーグが彼らから学び、リーグのレベルをグッと向上させるチャンスでなのである。ファンにもぜひそう捉えてほしい。

 それに、彼らがJリーグに参加することで、日本以外のファンもこのリーグに注目する。Jリーグはもはや、欧州で忘れ去られていたリーグではなくなり、ヨーロッパ各国、世界中で話題になることが増えた。

 さらに、世界の優秀なクラブが今夏に日本をツアーに組み込んでいることも、この上ない好材料だ。マンチェスター・シティ、チェルシーが来日すると聞いた。バルセロナも来ると聞いた。これはJリーガーにとってはこの上ない経験であるだけでなく、ファンもフットボールを見る目を養い、より高いレベルで楽しむために、とても大切な経験となるだろう。

 Jリーグがレベルを上げ続け、ファンも増えて世界で話題になり続けることができれば、Xデーは近い。そう、私はイングランドで、Jリーグを何のしがらみもなく観ることができるようになる日を待っている!

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
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