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【小宮良之の日本サッカー兵法書】 監督とはかくあるべき! 失敗を糧に上昇し続ける高潔な究道者

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年03月24日

2度の昇格失敗にもめげず、1部で脚光を浴びる

スラビア・プラハとのELラウンド・オブ32・第2レグ、延長戦で有利な状況に立ちながら、終了間際に決勝点を奪われて悪夢の逆転負け……。これで注目され続けたマチン体制が終焉を迎えた。 (C) REUTERS/AFLO

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 その後、マチンは4部リーグから昇格プレーオフを戦うなど、指導者として着実に力をつけていった。その功績が評価され、2011年にトップチームの指揮を執っている。2シーズン、際立った成績を残したわけではない。しかし少なくとも、降格はさせなかった。
 
 そして14年3月、シーズン終盤で2部のジローナを率いると、降格圏から救い出し、奇跡の残留を決めた。これで14-15シーズンも監督を務め、2年連続で昇格プレーオフに進んでいる。いずれも涙を呑んだものの、めげなかった。
 
 まさに「3度目の正直」で、16-17シーズン、2位で自動昇格の座を掴み取っている。クラブ史上初の1部リーグで、それはマチンにとっても同じことだった。
 
 マチンは1部でも、脚光を浴びた。よく鍛えられたチームは、レアル・マドリーをも破った。そして10位と大健闘したのである。
 
 その仕事ぶりが評価され、今シーズンはセビージャを率いていたわけだが……。
 
 マチンは監督として諦めずに戦い続け、名声を得た。安月給でも監督を続け、2度の昇格失敗にも怯まず、その道を邁進してきた。監督とは、かくあるべきだろう。
 
 マチンの生き方には、高潔さが浮かぶ。成功も失敗も、指揮官の宿命。必ずや、彼は再起する。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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