「Jリーグ随一の欧州サッカーマニア」が語る! アタランタの攻撃ユニットの凄みとは?

カテゴリ:ワールド

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年03月21日

「無意識の連動」がクオリティーを生んでいる。

アタランタが誇るサパタ(91番)、イリチッチ(72番)、ゴメス(10番)の攻撃トリオは連携が抜群。林選手が挙げた最大の特長が、「無意識の連動」だ。写真:Getty Images

画像を見る

 こうした異なる個性を持つ3人がユニットとしてすごく機能していて、このトリオだけで仕掛けからフィニッシュに持っていけます。様々なパターンがありますが、目立つのは2つ。ゴメスが2ライン(DFとMF)間でボールを持てば、サパタは中央で駆け引きして敵最終ラインを押し下げ、イリチッチが斜めにギャップに侵入します。

  逆にイリチッチがボールを持てば、ハーフスペースからのカットインが多くなるので、サパタに加えてゴメスもダイアゴナルに走り、スルーパスを狙うケースが多いですね。裏を突けない時は、ワンツーなどもう一手間かけます。

 こうしたコンビネーションはもちろん練習で培ったものだと思いますが、パターンの多彩さを考えると即興の部分も多いはずです。この「無意識の連動」のバリエーションの豊富さとクオリティーの高さが、このユニットの最大の特長だと思います。
 
 ちなみに、アタランタはこの3人に加えWBやセントラルMFを含め、ペナルティーエリア内に6、7人くらいが突っ込んでいくケースが珍しくありません。この「ゴール前の密度を高めてフィニッシュする」という戦術の肝になっているのが、ゴメスとイリチッチのキープ力。彼らが簡単にボールを失わないからこそ、積極的にあそこまで前に人数を掛けられるんですよね。

 ガスペリーニ監督のチームはデュエルを重視したマンツーマンディフェンスで有名ですが、サパタ、イリチッチ、ゴメスは若干ですが守備面の負担を軽減されている印象です。敵のビルドアップ時には縦を切って、ボールをサイドに追いやるのが主な仕事。その分、後ろのWBとセントラルMFは攻守で鬼のように走っています(笑)。

 28節を終えて6位タイとクラブ史上初のCL出場も狙える位置にいるので、この攻撃トリオを中心にアタランタがどこまで躍進できるか。終盤戦も注目したいです!

取材・構成:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

※ワールドサッカーダイジェスト3月21日号より修正・転載。同4月4日発売号では、林選手が「スールシャールのマンチェスター・U」を語り尽くします!

【プロフィール】
林陵平/1986年9月8日生まれ、東京都出身。186cm・80kg。ジュニアからユースまでヴェルディの下部組織で育ったストライカー。明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約。翌年から柏、山形、水戸を渡り歩き、2018年からヴェルディに復帰した。自他ともに認める「Jリーグ随一の欧州サッカーマニア」で、海外選手のゴールセレブレーションを取り入れて話題にも。現在は『DAZN』のハイライト動画を全て確認し、フル視聴も最低1日1試合が日課だ。ツイッター(@Ryohei_h11)では海外ネタを日々つぶやき中。
【関連記事】
会心2ゴールで東京Vの救世主になった林陵平!マニアックすぎる「ゴールパフォーマンス」も要注目
【消えた逸材】14歳でMLSデビューを飾った“神童”アドゥはいま何をしているのか? その後のキャリアを追う
「世界最強のヘッダー」「打点高すぎ!」「いつも美しい」C・ロナウドのヘディングゴール集にファンが熱狂!
【美女チア】ラブリー! キュート! エレガント! 2019年東京Vの『VENUS』!
「あれで34歳だろ? 半端じゃないぜ!」「怪物だよ」格闘界の“最凶ファイター”マクレガー、C・ロナウドを激賞!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ