• トップ
  • ニュース一覧
  • 【英国人記者の目】イングランドの若手がドイツへ流出する理由は? 原石たちはブンデスリーガに何を求めるのか

【英国人記者の目】イングランドの若手がドイツへ流出する理由は? 原石たちはブンデスリーガに何を求めるのか

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2019年02月19日

若い選手にとって、ドイツに行くことは良いことづくめ

トッテナムとの第1レグに0-3で完敗した後、サポーターに挨拶に回るサンチョ。 (C) REUTERS/AFLO

画像を見る

 ドイツのクラブにとっても、メリットはある。

 ドルトムント戦で顔を合わせた知り合いのジャーナリストは、「フルアムとチェルシーのU-16チームの試合に、ブンデスリーガのクラブからスカウトが3人ほど視察に来ていた」と教えてくれた。

 プレミアリーグからブンデスリーガに活躍の場を求める選手たちは、過去の若い英国人選手よりもはるかに技術的に熟練した存在とみなされている。そして何より安く補強でき、数年後には高い売却益をもたらす可能性を秘めた、イングランドのクラブほど資金に余裕のないドイツのクラブにとって非常に興味を引かれる存在なのだ。

 長い歴史を誇るイングランドのフットボール界において、母国以外でプレーヤーが育つ土壌が整っているかというと、そうとは言い切れない。老いも若きも、フットボール発祥の国でプレーをし続けることで幸せを感じ、成長することに喜びを得るのが一般的だった。

 そのなかでも、1980~90年代にかけては、ポール・ガスコイン、ポール・エリオット、グレアム・スーネス、ポール・インス、レイ・ウィルキンスやデビッド・プラットらといった偉大な選手たちがイタリアに渡った。そのなかにはもちろん、日本とスペインに渡ったガリー・リネカーもいる。

 かつての変化と同様、余り一般的ではなかった方法だが、若くしてドイツで経験を積むという選択は、新たなサクセスロードとして主流になりつつあるといえる。

 ジェイドン・サンチョがトッテナム戦でみせたパフォーマンスは、確かに手放しで称賛できる出来ではなかった。しかし、彼のポテンシャルやドイツにおける成功は揺るぎないものである。

 少なくとも、彼が辿るであろう前人未到の“スターダムへの進路”は、ロンドンで彼を迎え入れた私の目には、輝かしく映った。

取材・文/スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
【関連記事】
アジアカップでも物議を醸したVAR判定への英国人記者の見解。“本場”イングランドでの反応は?
英国人スカウトが「ブリリアント」と高円宮杯選抜を絶賛!とくに気に入った選手は?
【現地発】アーセナルは“エメリ流の進化”に成功している――英国人記者が見た「ノースロンドン・ダービー」
「メシが美味しそうだったから…」ベルギー代表MFが中国電撃移籍の理由をおもしろ告白!
イングランドはいかにして黄金期を迎えたのか? カギとなったのはある“地域”での原石発掘【現地発】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ