• トップ
  • ニュース一覧
  • 【英国人記者の目】イングランドの若手がドイツへ流出する理由は? 原石たちはブンデスリーガに何を求めるのか

【英国人記者の目】イングランドの若手がドイツへ流出する理由は? 原石たちはブンデスリーガに何を求めるのか

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2019年02月19日

出場機会と成長を求めてドイツへ渡る英国の若者たち

ジェイドン・サンチョ(写真上)を筆頭に、エミル・スミス・ロウ(写真左下)、ラビ・マトンド(写真右下)らがブンデスで活躍中だ。 (C) Getty Images

画像を見る

 私は先週、チャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦の第1レグ、トッテナム対ドルトムント戦を観るため、ウェンブリー・スタジアムへと足を運んだ。

 私がこのゲームで注目していたのは、ドルトムントのMFジェイドン・サンチョだ。彼にとっては母国イングランド、さらに地元ロンドンへの“凱旋”となる一戦でもあった。

 現在18歳のサンチョがドルトムントへと移籍したのは16歳の頃だった。その当時から才能ある若手だと見なされてきたが、彼は新天地で能力を昇華させ、今やブンデスリーガでひと際輝くライジング・スターのひとりとなった。

 彼がシティを離れる際にサポーターたちは、「なぜこの若者はシティを離れることを選び、それにペップ・グアルディオラが“ノー!”と言わなかったのか理解できない!」と怒り混じりに困惑したものだ。

 しかし、今やイングランド出身の若手たちがブンデスリーガに渡ることは、誰にも無視できない潮流となっている。

 サンチョの後を追うように、イングランドからドイツに渡った若者たちがいる。

 ひとりは、ホッフェンハイムでプレーするリース・ネルソン。アーセナルから挑戦した彼は新天地で非常にいいスタートを切り、試合に出続けることでタフさを身に着けている。

 さらに、今年1月の移籍市場では、エミル・スミス・ロウがアーセナルからRBライプツィヒへ移籍し、上々のスタートを切った。ほかにも、ウエストハムからアウクスブルクに移動したリース・オックスフォード、数週間前にシティの下部組織からシャルケに渡った18歳のラビ・マトンドもいる。

 彼らはいずれも才能に満ちたイングランドの選手たちだ。しかし、なぜドイツを目指すのか? その主な理由は、プレミアリーグでは若手が経験を積んで成長するには限界があり、ドイツこそ格好の“育成場”であることが挙げられる。サンチョの成功は、それを裏付けている。

 イングランド出身の若手選手にとって、ドイツのサッカーはテンポと競争力においてプレミアリーグと類似点が多い。だが、実力さえ認められれば、いかなる年齢だろうと公式戦への出場機会を与えられる、という点においてはスターたちが各国から集うプレミアリーグよりも可能性がある。

 また、ドイツの指導者のレベルは高い。長ければ10年以上にわたってイングランドの指導者の下でプレーしてきた若手にとって、新たな指導法で成長を促すことはフレッシュな気持ちになれるだけではなく、幅広い能力開拓にも繋がるのだろう。
【関連記事】
アジアカップでも物議を醸したVAR判定への英国人記者の見解。“本場”イングランドでの反応は?
英国人スカウトが「ブリリアント」と高円宮杯選抜を絶賛!とくに気に入った選手は?
【現地発】アーセナルは“エメリ流の進化”に成功している――英国人記者が見た「ノースロンドン・ダービー」
「メシが美味しそうだったから…」ベルギー代表MFが中国電撃移籍の理由をおもしろ告白!
イングランドはいかにして黄金期を迎えたのか? カギとなったのはある“地域”での原石発掘【現地発】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ