出場権を懸けた準々決勝の相手は、宿敵・韓国もしくは開催地のタイか
2)98ジャパンの長所と短所は?
前回の96ジャパンに比べ、180センチ超のフィールドプレーヤーと左利きが多い。これが今回の98ジャパンの長所になっている。
96ジャパンの最終ラインは180センチオーバーの選手がひとりだったのに対し、今回は、185センチの麻田将吾、180センチの富安健洋と森岡陸の3人がいる。前回のアジア選手権ではロングボールに苦しみ、出場権の懸かった準々決勝・シリア戦ではヒヤリとする場面を多く作られた。やはりアジアを勝ち抜くには、それなりに高さは必要だ。
そして、「11人中半分が左利きでもいい」と吉武監督が語るように、左利きの選手が重宝される。左利きの選手を多く配置すれば、左右に偏りなくボールを動かせるからだ。なかでも麻田、藤本寛也、菅大輝といったセンターラインに精度の高い左足を持つ選手が揃うのは強みだ。
短所は運動量が少ない点か。もっとも、標高の高い菅平で直前合宿を組むなど対策はしており、問題はないだろう。
3)98ジャパンのキーマンは?
攻撃面でのキーマンは、左SBの堂安、中盤の田中碧と菅、FWの佐々木、そしてCBコンビだろう。前線では、田中と菅と佐々木のトライアングルが、いかに高い位置でボールを支配できるかがカギを握る。
菅平合宿で吉武監督は、最終ラインから前線への素早い縦パスをしきりに要求していた。その点でキーマンとなるのが堂安とCB麻田で、ともに前線に送るフィードは正確だ。ふたりからの縦パスを引き出すためにも、前線の動きが重要になる。
守備に関しては、麻田の展開力を生かすために、CBでコンビを組むであろう富安、森岡、下口稚葉が守備のバランスを見て、ラインコントロールとカバーリングをいかにスムーズにできるかが、ポイントとなる。
4)ズバリ、予選突破の見通しは?
日本は4大会連続でU-17ワールドカップ出場を果たし、吉武監督は過去2大会連続でチームを世界へと導いている。94、96ジャパンでの経験を踏まえ、着々と準備を進めており、チャンスは十分にあるだろう
これまでやってきたことを100パーセント出し切れば、かなりの確率でアジアを突破できるはずだ。ただし、出場権を懸けた準々決勝の相手は、タイ、韓国、オマーン、マレーシアのいずれか。実力を考えれば、韓国か地元・タイになるだろう。
どちらも難敵なのは間違いないだけに、やはりこれまで積み上げてきたものを出せるかが重要になる。
文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
前回の96ジャパンに比べ、180センチ超のフィールドプレーヤーと左利きが多い。これが今回の98ジャパンの長所になっている。
96ジャパンの最終ラインは180センチオーバーの選手がひとりだったのに対し、今回は、185センチの麻田将吾、180センチの富安健洋と森岡陸の3人がいる。前回のアジア選手権ではロングボールに苦しみ、出場権の懸かった準々決勝・シリア戦ではヒヤリとする場面を多く作られた。やはりアジアを勝ち抜くには、それなりに高さは必要だ。
そして、「11人中半分が左利きでもいい」と吉武監督が語るように、左利きの選手が重宝される。左利きの選手を多く配置すれば、左右に偏りなくボールを動かせるからだ。なかでも麻田、藤本寛也、菅大輝といったセンターラインに精度の高い左足を持つ選手が揃うのは強みだ。
短所は運動量が少ない点か。もっとも、標高の高い菅平で直前合宿を組むなど対策はしており、問題はないだろう。
3)98ジャパンのキーマンは?
攻撃面でのキーマンは、左SBの堂安、中盤の田中碧と菅、FWの佐々木、そしてCBコンビだろう。前線では、田中と菅と佐々木のトライアングルが、いかに高い位置でボールを支配できるかがカギを握る。
菅平合宿で吉武監督は、最終ラインから前線への素早い縦パスをしきりに要求していた。その点でキーマンとなるのが堂安とCB麻田で、ともに前線に送るフィードは正確だ。ふたりからの縦パスを引き出すためにも、前線の動きが重要になる。
守備に関しては、麻田の展開力を生かすために、CBでコンビを組むであろう富安、森岡、下口稚葉が守備のバランスを見て、ラインコントロールとカバーリングをいかにスムーズにできるかが、ポイントとなる。
4)ズバリ、予選突破の見通しは?
日本は4大会連続でU-17ワールドカップ出場を果たし、吉武監督は過去2大会連続でチームを世界へと導いている。94、96ジャパンでの経験を踏まえ、着々と準備を進めており、チャンスは十分にあるだろう
これまでやってきたことを100パーセント出し切れば、かなりの確率でアジアを突破できるはずだ。ただし、出場権を懸けた準々決勝の相手は、タイ、韓国、オマーン、マレーシアのいずれか。実力を考えれば、韓国か地元・タイになるだろう。
どちらも難敵なのは間違いないだけに、やはりこれまで積み上げてきたものを出せるかが重要になる。
文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)