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【検証W杯】「突き上げ」が物足りなかった日本代表。リオ世代の成長こそが4年後の結果を決める

カテゴリ:日本代表

浅田真樹

2014年08月01日

ブラジル大会での日本は下降曲線の途中で本番を迎えていた。

ブラジルW杯では主力が充実期を迎えたかに思われたが、下の世代の突き上げが物足りなかった。(C) SOCCER DIGEST

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 過去の歴史が物語る「勝利の法則」を紐解けば、ブラジル・ワールドカップでの日本の敗退にはある理由が考えられる。日本に勢いや伸びしろといったものはあったのか――。日本代表が4年後の大会で好結果を得るためには、何が必要なのか。今大会を現地で取材してきたスポーツライターの浅田真樹氏が考察する。
 
【写真で振り返る】コロンビア戦 

 サッカーは年齢でやるものではない――。
 
 それはサッカーに限らず、スポーツの世界ではしばしば聞かれる話であり、真実でもあると思う。だが、日本が出場した5回のワールドカップを振り返った時、年齢構成にある程度の傾向が表われていることも、一面の真実だ。
 
 例えば、ワールドカップ予選において主軸として活躍した、三浦知良(98年大会)、中村俊輔(10年大会)、遠藤保仁(14年大会)といった30代の選手が、いずれも本大会を前に状態を落としたことは単なる偶然ではあるまい。
 
 その一方で、ワールドカップの2年前に行なわれた五輪に出場した(あるいは、出場していなくても同世代にあたる)20代前半の選手が台頭してきた時には、好成績につながっている。加えて興味深いのは、良い結果が出た02、10年大会の4年後は、いずれも期待を裏切る惨敗に終わっていることである。
 
 06、14年大会はいずれも、20代前半で前回大会を経験した選手が主力を成し、充実期を迎えたかに思われながら、案外結果にはつながっていない。いずれの大会でも、下の世代からの突き上げが少なかったことで共通している。
 
 要するに、20代前半の選手、いわば「五輪組」が多い時ほど、ワールドカップでは好結果につながるという傾向が表われているのである。
 
 経験が重要とされる大舞台で、なぜこのような傾向が表われるのか。はっきりとした理由を示すことは難しいが、ひとつの仮説として、勢いや伸びしろといったものが挙げられるのではないかと考えている。
 
 4年に一度のワールドカップをチームの完成度のピークで迎えるのはなかなか難しい。仮にピークを10とするなら、8くらいで迎えられれば上出来といったところだろう。
 
 しかし、同じ8でも、10から落ちてきた下降曲線の途中よりも、5、6、7と上昇している途中でワールドカップを迎えるほうが良いに決まっている。
 
 その点で言えば、ブラジル大会の日本は前者の途中で本番を迎えた感が強い。昨年の最悪時に比べればカーブは緩やかになっていたかもしれないが、おおまかな下降傾向に歯止めはかかっていなかった。
 
 もちろん、日本の完成度が8もあったとは思わない。しかし重要なのは、それが4であったか5であったかよりも、下降曲線の途中で本番を迎えたということである。
 
 極論すれば、下降中の8よりも、上昇中の4や5で迎えるほうが良いのかもしれない。上昇曲線が急激であれば、大会中にも上昇していく可能性があるからだ。
 
 そして、この上昇曲線を描く要因、すなわち、勢いや伸びしろといったものをもたらすのが、五輪組なのではないだろうか。
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