課題は残るが、修正した点も確実に見られた
しかし、後半はサイドバックにはサイドハーフがついていき、6バックになることも厭わないやり方に変えてきました。それによって、オマーンのディフェンスラインにはスペースがなくなり、日本の攻撃は行き詰ってしまいました。それぞれ打開を図ろうという姿勢を見せるものの、結局、個としてもチームとしても、それに対する有効な解決策を明確に打ち出せず、そのまま試合終了の笛を聞くことになりました。
初戦のトルクメニスタン戦の前半も同様でした。相手は予想に反して5バックの布陣で挑んできました。それに対し、日本は個々で打開を図ろうとするプレーはいくつか見られたものの、結局、チームとしての解決策をピッチで表現するのは、ハーフタイムを待たなくてはなりませんでした。
大会を終えたわけではないのは理解しています。むしろ2連勝でのスタートは順調とも言えます。ただ、次戦のウズベキスタン戦では、両チームが大きくメンバーを入れ替えるとすると、その先はもう一発勝負の決勝トーナメント。勝つしか道がない戦いになった時の準備が、これである程度終わりだとしたら、不安になるのも致し方ないと思います。
初戦のトルクメニスタン戦の前半も同様でした。相手は予想に反して5バックの布陣で挑んできました。それに対し、日本は個々で打開を図ろうとするプレーはいくつか見られたものの、結局、チームとしての解決策をピッチで表現するのは、ハーフタイムを待たなくてはなりませんでした。
大会を終えたわけではないのは理解しています。むしろ2連勝でのスタートは順調とも言えます。ただ、次戦のウズベキスタン戦では、両チームが大きくメンバーを入れ替えるとすると、その先はもう一発勝負の決勝トーナメント。勝つしか道がない戦いになった時の準備が、これである程度終わりだとしたら、不安になるのも致し方ないと思います。
修正した点も確実に見られました。
個々のコンディションは徐々に上がってきて、特に遠藤選手、柴崎選手のボランチコンビは、初戦で空きがちだったセンターバック前のスペースを埋める意識も高く、今大会の”心臓部”のメドは立ったと言えます。南野選手はチャンスこそ逸したものの、最後まで仕掛けの姿勢を失わず、前を向き続けました。前節2失点の守備も、カウンターへの備えなど、いくつかのシーンでまだ怖さは感じられたものの、1−0の最後の時間帯にほとんど押し込まれることなく時計の針を進めることができました。無失点という結果も、少なからずチームに安心感を生むでしょう。初戦よりチームが前へ進んだことは間違いありません。
ここから先は、まだ評価するべき時ではありません。決勝トーナメントも含めてひとつの大会。今も歩みの途中、戦略の途中です。今感じる不安感は、そのまま期待感と言ってもいいでしょう。このチームは大会を終える時にどのような姿を見せてくれるのでしょうか。
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとし2007年から前人未踏のJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は解説者として活躍中。