もはや弱小チームではなく…
現在46歳の安藤監督にとって、今大会は2000年に瀬戸内サッカー部の指揮官となってから苦節18年目にして、ようやく掴んだ初の檜舞台だった。ゆえに大会前は、「未知の世界に来た気持ち」だったという。
「初戦1月2日にすべてを賭けて出てきたのが本音です。そこで勝たせてもらって、そこから、相手のストロングポイントを決勝戦から逆算するという方法ではなくて、一戦一戦、自分たちのサッカーを貫くことを意識した。それをひとつずつ乗り越えてきて、我々は教員なんですけども、子どもたちの可能性が伸びていくというのを勉強させてもらったなと思いますね」
「初戦1月2日にすべてを賭けて出てきたのが本音です。そこで勝たせてもらって、そこから、相手のストロングポイントを決勝戦から逆算するという方法ではなくて、一戦一戦、自分たちのサッカーを貫くことを意識した。それをひとつずつ乗り越えてきて、我々は教員なんですけども、子どもたちの可能性が伸びていくというのを勉強させてもらったなと思いますね」
そんな46歳の指揮官は、どれだけゴールを失い、どれだけ当たり負けしようとも、ひたむきに自分たちの志向するサッカーで勝負を挑み続けた教え子たちの姿勢に、「ここのサッカー部は弱小チームというところからスタートしたんですが、県予選を突破してからさらに成長し続けてくれました」と褒めちぎった。
「サッカーで5失点してしまうと勝負が決まってしまう。ですけど、80分過ぎても懸命に追いかける、ラフプレーもなく最後までフェアプレーに乗っ取って走り続けてくれた。私自身、そういうところで泣けることもある。今日は負けたかもしれないが、選手の姿に胸を熱くしました」
同校初の選手権4強という大舞台で、劣勢に立たされながらも、試合終了のホイッスルが鳴る瞬間まで、気持ちを切らすことなく最後まで戦い抜いた瀬戸内イレブン。「課題はある。もう一回ゼロから謙虚にやっていきたい」と未来を見据えた安藤監督も含めて、彼らを“弱小チーム”と呼ぶものはいないはずだ。
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)